阪神・大山、爆発任せろ 森下撃ち13号!悔しサヨナラ負けもマツダで猛打ショー!
「広島4-3阪神」(28日、マツダスタジアム)
阪神が今季2度目のサヨナラ負け。3連勝で乗り込んできた勢いを止められた。それでもこの男の勢いだけは止められない。“森下キラー”の大山悠輔内野手(25)が七回、1点差に迫る13号ソロ。天敵降板後の九回には、右前打で同点のお膳立てを整え猛打賞だ。マツダは打率・478の好相性。カード勝ち越しへ、背番号3のバットがカギを握る。
意地が詰まった一発にも笑顔はなかった。2点を追う七回。先頭で大山が打席に立つ。カウント1ボール。2球続いたカットボールを捉えた打球が高々と打ち上がった。打球はグングンと伸びて左中間席へと着弾。5試合ぶり、チームトップとなる13号ソロだ。
まだ1点をリードされている段階。しかも相手先発はここまで3戦3敗のルーキー・森下だ。ベンチの矢野監督、そしてダイヤモンドを周回する大山も表情を崩さない。
「何度も同じ投手に抑えられるわけにはいかないですし、西さんも粘って投げてくれている。打てて良かった」。“何度も同じ投手に-”その言葉にすべてが詰まっていた。
この一発が森下にとってプロ入り後2本目の被本塁打となったが、1本目を浴びせたのも大山だ。7月23日の甲子園。初回、初対戦の第1打席で、ルーキーに豪快な中越え弾をお見舞いしている。
この日の試合前のことだ。打撃練習を始める大山に矢野監督が声を掛けた。マンツーマンで数分間。大山の手をつかみ、それを動かしながらの熱心なアドバイスを受けた。
今季、当たりが止まった際に何度か見られた光景。そして、崩れている点を修正されると、若き大砲は即座に結果を出してきた。
この日もそうだった。第1打席では右翼・鈴木誠の前で弾む当たりを放つ。一走のサンズが二塁に滑り込むことなく封殺となり『右翼ゴロ』となってしまったが、五回には阪神打線が苦しめられてきたスローカーブを左前へ。そして七回のアーチ、さらに九回はフランスアから右前打を放ち、無死一、三塁の同点機を演出した。
実質“4打数4安打”となる猛打賞で、今季のマツダでの打率は球場別でトップとなる・478まで上昇。5本塁打、8打点の大暴れだ。「いいつなぎだったり、本塁打が出てきている。悠輔には試合を決めるというか、チームを引っ張っていく選手になってほしい」と指揮官。初戦こそ落としたが、敵地・マツダでの戦いは続く。再び上昇気流に乗った大山のバットが、今度こそ勝利を呼び込む。