金本知憲氏 阪神・球児は後輩のいい“お手本” 日米通算250Sへ「最後まで応援」

 今季限りでの現役引退が発表される前夜の8月30日、阪神・藤川球児は限られた人にのみ、ユニホームを脱ぐ決意を伝えていた。そのうちの一人が金本知憲前監督(52)だ。共に03、05年のリーグ優勝に貢献。監督就任後は熱烈ラブコールで、右腕の阪神復帰に尽力した。感謝、慰労の言葉とともに「あのストレートがナンバーワンだった」と惜別コメントを送った。

  ◇  ◇ 

 引退決断の意思は、前夜8月30日に受けた。金本前監督は藤川と共に選手として、2度のリーグ優勝を経験。監督就任時には阪神復帰に尽力した。「昨日、連絡をもらいましたよ」。重い口を開きながら、無念さを思いやった。

 「肘の状態がよくないとのことだった。なんとか250セーブまでいってほしいと思っていたんだけどね」

 左翼の守備位置から長く、マウンドの背番号22を見た。自チームだけに対戦機会はない。それでも「あのストレートが(球界で)ナンバーワンだと思う」と断言する。打者を圧倒し、チームを救う絶対的な存在。火の玉と呼ばれた直球に魅了された一人でもあった。

 立場が変わっても、信頼関係は変わらない。監督就任直後の2015年オフ。「もう一度、一緒にやりたい気持ちがあったんだ」と当時、四国ILp・高知に所属していた藤川の獲得に動いた。

 「選手として、戦力として力を貸してほしかった。後輩の手本にもなってほしかった」 獲得に動いたのは阪神OBだから、ではない。同年の秋季キャンプ中には、直接会って意思を確認。チームに対する熱き思いや、身を粉にして戦う覚悟を感じた。実際にグラウンドに立っても、その姿が監督として心強かった。「点差や状況に関係なく、どんな嫌な場面でも自分から志願して投げてくれた」。願っていた“お手本”の姿だった。

 日米通算250セーブまで、あと「5」。状況的には厳しいが「今シーズンは最後までやると言っていたから」と底力を信じる。「状況によってはチャンスがあるかもしれない。陰ながら見守っているし、最後まで応援したいですね」。火の玉直球が起こした、数々の奇跡を目の当たりにした。22年間の奮闘に名誉を。輝く軌跡の完結を願っている。

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