阪神・球児が引退「体が悲鳴」火の玉今季限り それでも9月中に1軍「必ず戻る」

 阪神は8月31日、藤川球児投手(40)が今季限りで現役引退することを発表した。谷本修球団本部長(55)がオンライン会見で明かした。名球会入りの条件となる日米通算250セーブまであと「5」。現在はファームでリハビリ中の藤川だが、9月中の1軍復帰へ闘志を燃やしている。1日に本人が会見を開き、思いを口にする。

 22年目で下した藤川の重い決断。経緯を説明した谷本球団本部長の口からは、衝撃的なフレーズが続いた。

 「本人の話では、1年間コンディションを保つのが難しくなり、体が悲鳴を上げていると。もう一つはチームに非常に迷惑を掛けている。来季は今季以上に苦しくなるという懸念も考えられると」

 日米通算250セーブにあと「7」で迎えた今季はメモリアルイヤーとなるはずだった。だが、11試合の登板で1勝3敗2セーブ、防御率7・20。本来の姿には程遠く、今月13日には右上肢のコンディション不良で2度目の出場選手登録抹消。現在は2軍でリハビリを続けている。

 8月中旬に今季限りでの現役引退の申し出があり、それを了承したことを説明した同本部長だが、昨春の2軍降格時にも同様の話が本人からあったことを明かした。

 当時、球団側は態度を保留したが、「その後の見事な復活劇を見て、逆に今度は球団から強く現役続行を要請しました」。1軍に復帰後は完全復活を思わせる快投で、4勝1敗16セーブ、防御率1・77の成績で2019年を終えた。

 だが、長年酷使してきた体は限界に近いところまできている。同本部長は「詳細は控えたい」としながらも、右肘は「手術が必要なレベル。お医者さんからも『もういいんじゃないか』と言われるぐらい」と深刻な状態であることを隠さなかった。

 それでも“心”はまだ折れていない。9月中の1軍復帰を目指して奮闘中。「チームの戦力になるよう仕上げて必ず今シーズン、戻ってきますと約束をしてもらっています」と明かし、この時期の引退発表を「今季に懸ける思い」と代弁する。

 これまで何度も苦境を乗り越えてきた。98年度ドラフト1位で阪神に入団。勝利の方程式『JFK』の一角として、05年のリーグ優勝に貢献した。数々のタイトルを手にしてメジャーに挑戦。13年にカブスで2セーブを挙げたが右肘手術などで苦しみ、レンジャーズを自由契約となった後は独立リーグを経て、15年11月に阪神に復帰した。

 まだ「火の玉」は燃え尽きていない。名球会入りの条件となる日米通算250セーブまであと「5」。矢野監督は“予祝”で「日本一を決めるマウンドには球児がいて…」と言い切っている。藤川球児には、やるべき仕事が残っている。

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