阪神「結果オーライの野球ではツケが回ってくる」岡義朗氏があえて指摘
「阪神2-1ヤクルト」(1日、甲子園球場)
阪神が今季初のサヨナラ勝ちを決めた。1-1で迎えた九回、サンズが左中間へ決勝の13号ソロを放った。これで今季4度目の3連勝となり、2位に浮上した。
元阪神コーチでデイリースポーツ評論家の岡義朗氏は「見事なサヨナラホームランだったけど、勝った試合であえて言わせてもらうなら、結果オーライで終わらせてはいけない」と指摘した。岡氏が振り返るのは六回、先頭の近本が右前打で出塁した場面だ。
「次打者の木浪は初球にバスターエンドランを仕掛けたがファウル。2球目は送りバントに切り替えて空振りをした。そして3球目以降はヒッティング。ベンチは1球ごとに作戦を変えていった。結局、中前打でつないだわけだけど、首脳陣としては喜べない」
木浪の中前打で無死一、二塁。陽川の犠打で1死二、三塁としたが、サンズ、大山が凡退して得点にはつながらなかった。
「目の前の1試合に勝つことは当然大切なこと。しかし“結果オーライ”の野球を続けていると、私の経験上、その後の試合で必ずツケが回ってくる。送りバントがうまくいかず、ヒットが出たとしても、ベンチの思い描いた通りの展開になっていないわけだから、試合の流れが悪い方向へ変わることさえある。矢野監督もそんな複雑な思いで木浪のヒットを見ていたのではないかと思う。結果的にこの場面も得点にはつながらなかった」
試合は最終的にはサンズの勝負強さと投手陣の踏ん張りで勝利をたぐり寄せた。今後、首位巨人を追い上げていく上でも岡氏は「まずは選手がベンチから与えられた役割をしっかりと果たすこと。その積み重ねは目の前の結果だけでなく、シーズンの結果にもつながる」と提言した。