阪神・藤浪、ベンチで涙 球団ワーストの11失点「崩れてチームに迷惑を…」

3回巨人1死一・二塁、阪神・藤浪は巨人・大城に適時打を許す=甲子園(撮影・山口登)
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 「阪神-巨人」(5日、甲子園球場)

 阪神の藤浪晋太郎投手が4回2/3を9安打、自己ワーストの11失点で降板。球団史上でも、1人の投手による11失点はワーストの記録となった。

 押し出し四球を含む6四球に、2失策と野手のミスも響いた登板。逆転優勝に向け、チームとして負けられない一戦で、苦しい投球となってしまった。

 スタンドからは温かい拍手も送られる中、「代えろ!!」など厳しいヤジも飛んだ。降板後はベンチでうつむき、しばらくの間動くことができず。顔を上げると、瞳からこぼれる涙をぬぐった。

 「大事な4連戦で勝たなければいけない試合でしたが、崩れてチームに迷惑を掛けてしまい、申し訳ないです」

 試合前に降った大雨の影響で、1時間2分と大幅に遅れて試合開始。初回こそ三者凡退に抑えたが二回、2本の二塁打などで2点を失うと、続く三回だ。先頭の坂本に左前打を浴びると、1死を挟んで亀井にも中前打を浴びた。試合開始前に降った雨の影響で、この打球が芝生で弾んでイレギュラー。一走・坂本に三塁まで進まれた。

 記録は中堅・近本の失策となった。チームとしても両リーグワーストの48個目の失策。ミスも響き、続く岡本にはストレートの四球を与え、1死満塁。丸にもストライクが入らず、3-1から押し出し四球を与えた。

 続くウィーラーには、直球を狙い打たれて左前適時打で2点を失う。さらに大城にも中前適時打、続く吉川にも左前適時打を許した。ストライク、ボールで厳しい判定もあったがこの回、打者一巡の猛攻を浴び、三回までに計7失点。

 それでも三回裏の打席に立ち、続投した。五回には、2死二塁から、投手の今村に四球を与える。続く坂本にも四球で、2死満塁。続く松原を二ゴロに抑えたが、この打球を二塁・小幡が一塁に悪送球。この日、チーム2つめ目の失策で2者が生還した。さらに亀井にも中前適時打を浴びたところで、ようやく矢野監督が交代を告げた。

 この4連戦中に自力優勝の可能性が、消滅することはなくなった。ただ、首位巨人とのゲーム差は6・5。逆転優勝に望みをつなぐため、負けられない戦いが続いている。

 2016年4月5日(東京ドーム)以来、1614日ぶりの巨人戦勝利、2017年4月27日のDeNA戦以来、実に1227日ぶりの甲子園での勝利を目指すマウンドだったが、大量11点のビハインドを許して無念のKO降板となった。

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