【西山秀二氏の眼】阪神・藤浪11失点も「今後につながる成長見られた」
「阪神2-11巨人」(5日、甲子園球場)
結果だけを見れば、阪神・藤浪は4回2/3で11失点。特に三回までの7失点で試合が決まった形だが、その中でも今後につながる成長は見られた。
これまでであれば、四死球で試合がぐしゃぐしゃになってしまうケースが多発していた。そうなると、ピッチングの反省というよりも「抜けてはいけない」など、ボールの行き先にのみ意識が向いてしまう。
この試合、押し出し四球などもあったが、ストライク近辺にボールを投げ込む中で、失策などもあり、走者がたまりピンチが拡大し、そういう場面で大城、亀井らに手痛いタイムリーを浴びるという内容の失点だ。
制球難による自滅ではないため、この日の投球を振り返る時に「あの場面、直球が甘く入りすぎた」とか「変化球がちょっと決まらなかった」など、普通の投手並みに、反省点に向き合える。
裏返せば、ちゃんと打者と勝負できているからこその反省であり、これは次に生かすことができる。巨人は層が厚く、常に緊張感を持つチームだけに、出場できるのは好調な選手に限られる。当然、甘い球は捉えられる。巨人を倒すには接戦に持ち込む必要があり、そういう投球をするために、この日のピッチングを見つめ直してほしい。