阪神・矢野監督 采配裏目…自力V消滅 七回逆転狙いのバスターエンドラン失敗
「巨人6-3阪神」(15日、東京ドーム)
力の差を認めざるを得なかった。阪神は3度リードしても突き放せず、一進一退の展開で逆転負け。東京ドームで開幕から7戦全敗で、今季最大の10・5ゲーム差となった。矢野監督は悔しさを押し殺し、現実を受け止めた。
「球際であったり、ここで一発決めるとか、そこの差が出たゲームだった。俺らの成長がもっともっと必要かなと思います」
あと一歩だった。菅野から今季初めて1試合で3点以上を奪取。六回に逆転を許したが、七回に絶好機が巡ってきた。
この回から登板した高梨に対して、先頭・小幡が遊撃内野安打。近本は初球から3球連続ボールの後、5球目に四球を選んだ。
無死一、二塁。送りバントで1死二、三塁として糸原、サンズへとつなげば、同点を狙える場面を迎えた。
梅野は初球にバントの構えを見せて1ボール。高梨は制球に苦しんでいたが、矢野監督は2球目にバスターエンドランを仕掛けた。
「俺としてはいくべきところでいった」
勝負手は裏目に出てしまう。梅野は内角スライダーを空振りし、二走・小幡が三塁でタッチアウト。一気に好機がしぼんだ。結果的に高梨を生き返らせ、七回は無得点に終わった。
巨人は七回の守備から菅野を降板させ、岡本も交代。六回の守備から坂本も交代していた。主力がいない巨人に対し、現状の阪神の攻撃力を考えれば、犠打でまず同点を狙いにいく選択肢もあった。
責任背負った
ただ、先攻ということもあり、一気に逆転を狙った指揮官の策ははまらず。「勝負にいった結果なんでね。責任というか、それは俺自身が受け止めている」。潔く勝敗を左右した責任を背負った。
03年に星野阪神がリーグ優勝を決めた9月15日。今季73試合目の同じ日に自力優勝の可能性が消滅し、巨人に優勝マジック「38」が点灯した。
「俺らに関係ないよね。やるべきことは、優勝マジック出たからといって、何も変わることはない。この1敗で下向いて野球やるわけじゃない。相手のことは関係なく、自分たちが成長できること、勝つことを考えてやっていく」。前向きに話した。だが、残りは47試合。05年以来のリーグ優勝は厳しい状況となった。