【金本知憲氏の眼】阪神・大山は穴が少ないバッターになった
「阪神4-3DeNA」(11日、甲子園球場)
阪神・大山の逆転2ランは価値ある一打だと言えるだろう。打撃内容を見ていると、穴が少なくなってきたように感じる。要因として挙げられるのは、右方向に打てるようになったことで“逃げ道”を作れていることだ。
本人が打席の中で逆方向を意識しているかどうかは定かではないが、自然と右に打てるような打ち方になっている。ポイントはステップして行く時に体が突っ込まなくなったこと。軸がしっかり残ることで、右方向に強い打球を飛ばすことができる。
今後、気をつけなければいけないのは、決して“大振り”をしないこと。私も経験があるが、格下のピッチャーとの対戦であったり、ホームランを狙う場面で打席に入ると、どうしてもバットが下から出てきてしまう。基本的にはセンター返しを意識すればいいし、今の打ち方であれば、たとえ狙わなくても自然とホームランが出るスイングをしている。
入団1年目から見ているが、今の結果が示しているように大山はすごく成長したと思う。あとは高めの速い真っすぐを打てるようになるかどうか。自チームのスアレスや藤浪のようなストレートを打てるかどうか。それができれば最高だと言えるし、無敵のバッターになると思う。