【中田良弘氏の眼】阪神・高橋は150キロの直球見せてこその脱力投法

 「中日4-2阪神」(13日、ナゴヤドーム)

 阪神は逆転負けで、3位中日に0・5差と迫られた。デイリースポーツ評論家・中田良弘氏は4回3失点で4敗目を喫した阪神・高橋の投球内容について、「気持ちまで脱力しているように見えた」と指摘した。

 ◇ ◇

 阪神・高橋はプロ初完投勝利を挙げた前回5日の巨人戦で、直球の速度を抑えた脱力投法に自信をつかんだのだろうけど、それが2回続けてハマるほどプロの世界は甘くない。なにか気持ちまで脱力しているように見えたし、打者に向かっている気持ちが感じ取れなかった。4回65球、3失点での降板だけに、肩や肘を故障してなければいいなと思うほどの内容だった。

 やっぱり高橋の魅力は150キロ近い直球に、キレのあるスライダーを織り交ぜた投球。130キロ後半の直球を投げるな、捨てろ!とは言わない。ただ、その球を生かすのも、150キロの直球があってこそなんだよね。

 プロ初完投からの初登板となった中7日での先発は、すごく大事な登板だっただけにもったいない。いま一度、自分の魅力はなんなのか、自分の売りはなんなのかを見つめ直してもらいたい。誰もが投げたくても投げられない速い真っすぐを投げられるんだから、使わない手はないはずだ。

 一方、初回に本塁打王争いのトップに立つ先制の26号2ランを放った大山はお見事のひと言。4番の初球に内角直球という選択をした中日バッテリーの配球はよく分からないけれど、それでもファウルや空振りを挟まず、ひと振りで仕留めたのは大きい。

 開幕スタメンから外れた今季、その後の少ない出番で、結果は凡打に終わっても若いカウントからフルスイングしていた。普通なら結果を欲しがってバッティングが小さくなってしまうところだけど、大山は違った。だから、今年はひょっとするとひょっとするかもと見ていたが、ここまでそのスタイルを崩さずに貫いているし、相手投手に恐怖感を与えるスイング、結果を残せている。ここまで来たのなら、ぜひ本塁打王のタイトルを獲ってもらいたい。

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