阪神・球児 敵地での異例セレモニーに「選手ってこんなに幸せなんだな」【一問一答】
「中日5-3阪神」(15日、ナゴヤドーム)
今季限りでの引退を表明している阪神の藤川球児投手(40)が1軍に復帰した。九回に悪夢のサヨナラ負けを喫したこの日は登板機会こそなかったが、試合後には敵地・ナゴヤドームで異例のセレモニーが行われ、中日・荒木守備走塁コーチが花束を贈呈。竜党で埋まる右翼席から「球児コール」も沸き起こった。残り21試合。最後の勇姿を、全国のプロ野球ファンに披露する。藤川はナゴヤドームでの思い出や、残りの試合に向けて意気込みを語った。
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(試合前に)
-1軍合流。残り22試合となった。
「残りの1試合1試合で、ファンの人たちに見せたいものもある。けど、自分自身が一つ一つの球場での光景というのをね。これがもう最後になるので、かみしめたいという思いはある。辞めると言ってからいろいろな人に『楽しめよ』と言っていただきましたけど、その意味が少し分かってきました」
-マウンドではどんな姿を見せたい?
「投げることについては、今まで通りの目線で見てもらえれば良い。ウソ偽りのない今の自分の姿がそのまま出ると思う。どんな姿でも最後までチャレンジするということを見てもらいたいです」
(試合後に)
-ナゴヤドームでの思い出は。
「落合監督であり、井端さん、荒木さん。今日も会った岩瀬さんも引退試合に来てくれる。何とかこの日に間に合わせて来られただけで、選手ってこんなに幸せなんだなと感じることができた。それが見ている人とか後輩であったり、他球団のチームの選手たちにとっても、またいいきっかけになれば。ありがたい以上というか、これから生きいく第2の人生で、生きていく糧になりますよね」
(続けて)
「自分がこれだけ残したんだというか、いい勝負を繰り広げさせてもらったというところで、人の印象は消えないんだなと、記憶って。その記憶を大事にこれから生きていこうと思いました」
-1カ月離れていた。今のチーム状況や、これからどういう役割を担いたいか。
「監督の起用法を見ていても、必死に勝とうとする姿をすごく感じる。選手たちもそれに応えようとしているし、相手チームとしのぎを削っているからね。自分の出番がいつあるかなと思いながらも、ゲームをリスペクトしているので。順位的に2位、3位を争っている。たくさんの意見が分かれるところですけど、グラウンドの中は答えは一つ」
(続けて)
「勝つか負けるかでやっていきながらその中で、プロフェッショナルなプロ野球というエンターテインメントを入れるというのが、僕もそれは感じることなので。やっぱり勝負の中で生きてきた人間。力になりたかったなと。自分が来たことで力入れさせちゃったのかなとか、いろんなことを考える。僕的にはしっかり名古屋を考えたい、考える一日にさせてもらいたい。寝るまでは名古屋のことを考えさせてもらおうかなと思います」