阪神・能見が退団へ まだまだやれる!魂のオール直球1回0封 複数球団が獲得調査へ
「阪神5-9広島」(22日、甲子園球場)
阪神の能見篤史投手(41)が球団から来季の戦力構想外であることを通達されたことが22日、明らかになった。能見は同日、広報を通じてコメントを発表。「タイガースのユニホームを着て、皆さんの前でプレーするのは今季が最後」と阪神退団を明言した。この日の広島戦では七回に登板。全球直球で1回を三者凡退に斬った。
来季の戦力構想から外れた事実を告げられたことはつらく、悲しい。それでもタテジマ一筋16年を貫いてきた能見は残り少なくなったシーズンを踏まえ、いつも声援を送り続けてくれるファンのために球団広報を通じてコメントを発表した。
「ファンの皆さんにお伝えしたいことは、タイガースのユニホームを着て、皆さんの前でプレーするのは今季が最後になるということです」と今季限りでの阪神退団を明言した。
21日に球団から来季の戦力構想外であることを通達された左腕は、その内容こそ明かさなかったものの「球団から今後について話があったのは事実です」と球団と話し合いを持ったことを認めた。
衰えや故障箇所などはなく、本人は現役続行を強く希望している。経験値も含めて貴重な左腕とあって、セ・パの複数球団が獲得へ向けて調査に乗り出すとみられる。
能見は2004年度ドラフト自由枠で入団。5度の2桁勝利をマークするなどエースとして活躍。2018年途中から中継ぎに転向し、40歳を迎えた昨季も自己最多の51試合に登板するなど、チームに貢献してきた。
この日は試合前練習で今季限りでの現役引退を表明している藤川とキャッチボールし、最後は笑顔でハグを交わした。試合では4点をリードされた七回に登板。リリーフカーに乗って登場すると、甲子園に大きな拍手が湧き起こった。
投じた6球はすべて直球。2死から代打・羽月に投げ込んだ初球は、今季最速となる148キロをマークした。オレはまだやれる-。そうアピールするかのような熱投で1回無安打無失点の三者凡退に斬ると、再び甲子園は大きな拍手に包まれた。
「ファンの声援は非常にありがたいですし、後押しされました」と感謝した能見。「タテジマのユニホームを着て投げられるのも残り少ない。感謝の気持ちを持って投げていきたい」。虎の最年長投手は最後まで全力で腕を振ることを誓った。