阪神・藤川球児が東京ドームに別れ「憧れてきた」「子どもの時に戻りました」
「巨人2-4阪神」(25日、東京ドーム)
今季限りで現役引退を表明している阪神の藤川球児投手(40)は、今季の東京ドーム最終カードを登板機会なく終えた。
それでも、試合後には大歓声に応えて、左翼スタンドに向かった。ドーム内に藤川の登場曲 LINDBERGの「every little thing every precious thing」が流れる中、別れを告げると、右翼スタンド、三塁側のスタンドに手を振りながら、ホームベース付近からグラウンドに向けて一礼した。
「粋な計らいっていうか、感謝しなきゃいけないですし、もう一回横浜もありますけど、東京ドームの野球っていうのはこれが最後なので、良かったなと」
巨人戦は通算でカード別最多の143試合に登板。ここまで6勝5敗、25ホールド、46セーブ、防御率2・10を残している。敵将としての原監督とも幾たびもの熱戦を繰り広げてきた。
「原監督ともWBCで一緒にやりましたし、アメリカに行ったときも言葉を頂いて、色紙書いて頂いたりして。自分の子どもの時から憧れの球団で。巨人の選手たちを見て憧れてやってきた部分もあるので、最後、敵チームでっていうのは思わなかったので、子どもの時に戻りました」と出場こそなかったが、最後の東京ドームをその目に、その体全体に焼きつけた。
そんな思い出深い宿敵の本拠地で、最後の3連戦は勝ち越した。「今年に限っては自分が戦力としていっぱいいっぱいなのかなというところですけど、後輩たちが最後、初めて今年勝ち越してくれて、その輪の中にいられて、少しでも自分がいることが何か影響したと思うとうれしいですよね。来年からはそれすらかなわないですから」としみじみと語った。
最後にマウンドに立ち、センター方向を向いた。ホーム方向からから背中越しに両手で背番号「22」を指差す写真を記念撮影した。ツイッターで「ファンの皆さまにも東京ドーム最後のマウンドの姿を」と報告。粉骨砕身の精神で、打倒・巨人に生きたレジェンドが、思い出の地に別れを告げた。