阪神・球児が“締めた”九回2死から登板 虎党大歓声で後押し「本当にありがたい」

 最後を締め、ナインとタッチを交わす藤川(右から2人目)
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 「阪神9-1中日」(28日、甲子園球場)

 勝利を締めるラストイニングに阪神・藤川が帰ってきた。その勇姿を少しでも近くで見ようと客席の虎党が前方へ一斉に押し寄せる。さあ、舞台は整った。九回2死から甲子園のマウンドへ。「あと1人」の大声援が藤川を後押しする。打者はシエラ。カウント1-0からの2球目、145キロ直球で一邪飛に抑えた。大山から勝利球を受け取り、最高の笑顔だ。

 「本当にありがたいことに歓声をいただいていたので、何かを感じてもらえたらと思いますね」。15日に再昇格してからは3試合連続無失点。戦う姿を遺憾なく発揮している。

 11月10日・巨人戦(甲子園)には引退試合が行われる。その試合を含め残り10試合。引退へのカウントダウンは刻一刻と進んでいる。

 「最後の時間を一緒に過ごせることがすごく貴重だし、レアな時間。誰もが味わえる時間じゃないところ(瞬間)を自分にいただけるというのは本当に今まで頑張ってきて良かったなと思います」

 負ければV逸という状況からチームは底力を見せる。「あと1試合負けたら終わりなんだけれどもそれにあらがいながらね。開き直ったような戦い方ですごくいいチームになってきている」と藤川は口調に熱を込めた。チームメートと過ごす限られた時間を大切にしながら、最後の花道を飾る。

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