阪神・西勇 大野雄に投げ勝った!1失点完投、自己最多12勝にあと1
「阪神3-1中日」(29日、甲子園球場)
目前の戦いに全力を尽くしながら、阪神・西勇は来シーズンの雪辱を口にした。「日本一になりたいと思います」。まだ試合を残す中での決意は、エースとして戦った悔しさからか。今季4度目の1失点完投勝利で11勝目。大野雄との投手戦を制し、2位再浮上を導いた。
「チームはいい形で連勝中。流れを引き込み、長いイニングを投げようと思いました」
“ブルペンデー”として、7人の継投で勝利した翌戦。エースは試合前から、1人で投げ抜く覚悟を決めた。初回、1死から京田に右越えの先制ソロを浴びた。「相手は大野投手。先に取られてはいけなかった」と反省したが、切り替えて最少失点で踏ん張った。
前回23日の巨人戦。マルテの3失策を含む4失策が得点に絡み、今季最短の5回7安打5失点(自責2)で5敗目を喫した。その当日、矢野監督が西勇援護への奮起を促した打線が、裏の攻撃で逆転に成功。野手の援護に背中を押された。四回、4番に入った高橋には3球勝負。内角低めのシュートで見逃し三振を奪った。
「覚えていますね。あの試合で負けて連勝も止まったんで」。
エース道を歩む覚悟で臨んだ1年。相手エースとの投げ合いに燃えた。大野雄とは14年5月28日以来の対決。開幕から登板8連勝で迎えた中、8回1失点の熱投も0-1で投げ負けた。「打たれたので負けは負けです」。二回以降、得点圏に走者を進めず、6年ぶりの再戦を制した。114球の熱投だった。
矢野監督も賛辞を惜しまない。「負けない気持ちは当然だが、実行するのは簡単なことじゃない」。先発としてこだわる投球回は、リーグトップの146回まで伸ばした。14年に記録した自己最多の12勝にも、あと1に迫る。順当なら次回が今季最終登板。勝利でエース道を完走したい。