【ありがとう球児】スターになっても裏方を大事に 阪神園芸・金沢健児氏が振り返る

 今季限りでの現役引退を発表した阪神・藤川球児投手(40)が、10日・巨人戦(甲子園)で最後のマウンドに上がる。引退試合へ向け、藤川にゆかりのある人々が語る球児伝説を紹介する。第3回は阪神園芸・金沢健児氏。

  ◇  ◇

 甲子園球場のマウンドは他球場と足並みをそろえるように、2019年からメジャー仕様に変わった。金沢さんは「誰が触っても掘れにくい。そういう基準になった」と話す。ただそれ以前に、藤川から注文や要望などはなかったという。

 「中継ぎやから絶対掘れてるしね。条件が悪いというのもあるけど、これが嫌とかは一切なかった。信頼してもらえてたのかなと」

 普段の会話やメディアを通して、リスペクトの思いは伝わってきた。キャンプの食事中も藤川は若手スタッフに気軽に声を掛ける。「スター選手になっても裏方さんをすごく大事にしてくれる。我々がいてるからっていうのをすごく言ってくれるのでね」。そうした姿を後輩投手が見て、伝統は受け継がれる。

 若い頃、ケガに苦しみリハビリに励む姿を見てきた。苦労も目の当たりにしてきただけに、2004年覚醒の瞬間は金沢さんも興奮を隠せなかった。練習中のグラウンドで思わず声を掛けたという。

 「めっちゃ速なってない?って聞いたらすごく意味深な笑みで。そうですか?って謙遜していたけどね。プロの強打者が真っすぐを待って打てないというのが衝撃すぎて…。私が生で見た中では生涯で一番すごいピッチャーなんやろなと思って見ていたから」

 試合中、金沢さんはベンチ横の本部席から試合を見ている。「11・10」のラストマウンド。目に焼き付けたいシーンがある。「球児が出てきた時にあの曲が流れて、お客さんがすごい喜んでる…。曲に合わせてタオル振ってね、あの光景をもう一度見たいね」-。

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