阪神・秋山 セ界の“制球王” 菅野&大野雄超え与四球率0・96
「広島0-2阪神」(7日、マツダスタジアム)
復活イヤーを鮮やかに締めくくった。阪神・秋山が有言実行の快投だ。7回0/3を3安打無失点で11勝目。「達成できるように頑張りたい」と話していた防御率も2・89まで下げ、3年ぶりの2点台でフィニッシュした。
「立ち上がりはちょっと逆球が多かったですけど、生かしながらうまく進めていけた。(防御率2点台は)とりあえず良かったかなと思います」
小雨が舞う悪天候の中、洞察力が光った。キレのある直球を軸にフォーク、カーブなどを交えて、的を絞らせない。二回は無死一塁から会沢を三ゴロ併殺、2-0の六回1死一塁でも代打西川を二ゴロ併殺に打ち取った。八回、引退試合に臨んだ石原の打席で能見にマウンドを譲ったが、矢野監督に「完璧なピッチング」と言わしめる81球だった。
18年に右膝をクリーニング手術し、19年は4勝にとどまった。今年3月、本来の開幕を前に「そろそろ、それ(手術)を言い訳にしてはいけない」と語気を強めた。不退転の決意で臨んだ20代ラストイヤー。異次元の数字が復活を物語る。今季18試合112イニングで四球は12個だけ。規定投球回に届かなかったとはいえ、与四球率は驚異の0・96だ。これは中日・大野の1・39、巨人・菅野の1・70も上回る。秋山自身は17年に0・90を記録しているが、キャリアハイ12勝を挙げた輝きを取り戻した。
「いろいろ引き出しを使いながらやれたのは良かったです。来年は大事なところで勝ち続けられるように頑張りたいと思います」
視線はすでに来季を見据える。今季の直球は130~140キロ前半で「もうちょっと速くないと、長いイニングはしんどいかなと思う」と課題と向き合う。先発ローテの柱へ、秋山はさらなる高みを追い求めていく。