阪神・藤浪は来季先発!矢野監督が早くも明言、捕手目線で「縦スラ」習得を提案
「阪神秋季練習」(16日、甲子園球場)
阪神の矢野燿大監督(51)が16日、藤浪晋太郎投手(26)を来季先発起用でスタートさせることを明言した。今季も成績的には1勝6敗に終わった右腕だが、コロナ騒動による配置転換で中継ぎとして躍動。復活への手応えはつかんだ。指揮官はさらなる進化へ向けて、捕手目線から縦のスライダー習得を提案。直球、フォークとの組み合わせで、先発投手として大躍進することを期待した。
今季終了から、わずか5日。矢野監督が早くも藤浪を来季、先発で起用する方針を明かした。「晋太郎自身のこと、チームのバランスを考えても、先発の方がどっちのためにもなると思っている」
昨季はプロ入り後、初の未勝利に終わった藤浪は、8月21日のヤクルト戦で自身692日ぶりとなる勝利を飾った。今季は結果的にその1勝に終わったが、9月末のコロナ騒動で主力選手が大量離脱したことを受けて中継ぎへ。そこで再浮上のきっかけをつかんだ。
「数字的に勝ちがいっぱい付いたとか、そういうシーズンではなかったけど、新たな晋太郎の…第何ステージかは分からないけど、そういう土台になる年にしてほしいと思う」
ルーキーイヤーから10、11、14勝と勝ち星を伸ばした、あの頃のように。そして先発の柱として、さらなる躍進を遂げるために、指揮官はある提案を藤浪に投げかけた。「基本は真っすぐ、というのは変わらない。でも俺のイメージで言えば、スライダーはもうちょっと縦の方がいいと思ってんねんよ」
その意図はこうだ。「横に流れるのは抜けたり引っ掛かったりの幅がデカくなる」ため見極めやすくなる。監督が求めるのはベースの幅の中で斜めに曲がるスライダー。「縦の高さって結構見極めにくい。なんであの高さを振るのっていうのがあるけど、あれはベースの中にあるから振る」と解説した。
具体名を出したのは、今季メジャーのサイ・ヤング賞投票で2位となった右腕だ。「ダルビッシュとかもすごいのは、ベースの中で斜めにこう最後落ちるじゃん。あれは右でも左でも見極めにくい」
常時150キロを超える直球、フォーク、縦に曲がるスライダー。元捕手の目線から、この3種類を軸にすることで「もっとイニングも稼げるし、バッターにとっても嫌な感じになる」と言い切る。
「もちろんあいつ自身も高いところを目指していると思う。そこにたどり着ける最初の年にしてもらえたら」。2021年の藤浪に“新球”マスターでの大きな飛躍を期待した。