【阪神新人紹介】ドラフト4位・栄枝裕貴【1】
10月のドラフト会議で阪神から指名を受けた9選手の連載をお届けする。第4回はドラフト4位・栄枝裕貴(22)=立命大。プロへの扉を開くまでの道のりを振り返る。
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1998年5月16日に栄枝家の第1子として誕生した。初めての子ども。本などでたくさん調べ、父・和貴さんの1文字と穏やかに人生を送ってほしいという願いを込めて「裕貴」と名付けられた。
母の真実さんは「小さい頃から元気でとにかく元気が有り余っていました。家の中でじっとしていられないというか、そんな子どもでした。体を動かすのが大好きで、ずっと外で遊んでいましたね」と懐かしそうに振り返る。近所の友達と日が暮れるまで目いっぱい遊んでいた。
体力があふれていた幼少期時代。何かスポーツをやらせたいという両親の考えで、習わせたのが水泳だった。週に1度、スクールへ。そこでは定期的に進級テストがあり「本当に負けん気が強くて」と母。進級テストに合格できなかった時には涙を流すこともあった。
水泳に打ち込んでいた一方で、友達とプラスチックバットでカラーボールを打つ野球にもどんどん引かれていった。「水泳に未練は全くなかった」と小学校入学時には、迷わず高知市スポーツ少年団の「朝倉スワローズ」に入団。ここから野球漬けの日々が始まった。
本格的に野球を始めると託されたポジションは捕手だった。運動神経が良い順に投手、捕手と決められ任命されたのだ。一般的に小学生には投手や内野手が人気で、捕手希望者は少ない。しかも投手の球を捕れる選手は限られる。それなら自分が「やるしかない」。強い決心でマスクをかぶり、小学6年時には全国大会で準優勝を果たすなど女房役としてチームを支えた。
また「高知橘クラブ」という陸上チームにも所属。野球の練習が休みの日に習いに行き、大会にも出場した。小学6年時にはソフトボール投げで63メートル21を記録し、高知県大会で優勝。100メートル走でも2位に輝くなど、高い身体能力を発揮した。
陸上でも非凡な才能を見せていたが「迷いはなかった」と栄枝。高知中に入学すると、迷わず軟式野球部に入った。この3年間が、心身ともに大きく成長する期間となる。
☆アラカルト
生まれ 1998年5月16日。高知県高知市生まれの22歳。
サイズ 180センチ、81キロ。
投打 右投げ右打ち
球歴 小学1年から朝倉スワローズで野球を始め、6年時には全国大会準優勝。高知中では軟式野球で全国制覇を経験。高知高では甲子園出場経験なし。立命大では1年秋からベンチ入りし、3年時には大学日本代表候補合宿に参加。
憧れの選手 古田敦也、梅野隆太郎
趣味 マージャン。大学2年時に先輩に教えてもらい、はまる。「読み合いとか駆け引きとか、キャッチャーに通じる部分がある」と話す。
好きな食べ物 ラーメン全般。