【阪神新人紹介】ドラフト6位・中野拓夢【1】

 10月のドラフト会議で阪神から指名を受けた9選手の連載をお届けする。第6回はドラフト6位・中野拓夢(24)=三菱自動車岡崎。プロへの扉を開くまでの道のりを振り返る。

  ◇  ◇

 「きれいだな」-。青空の甲子園の下、初めて聖地の黒土を踏みしめた中野が鮮明に覚えている光景だ。13年8月13日の甲子園大会2回戦・日大三高戦。阪神ファンの父・茂明さんにとっても一生忘れられない思い出だ。

 「もしかしたら息子が高校野球で甲子園に連れてきてくれるかもしれないと思って、それまでは甲子園に行ったことはありませんでした。この時が初めてで…。次(来年)はタテジマのユニホームを着て出られますかね」

 1996年6月28日、中野家の第3子として誕生。拓夢という名前は「夢を切り拓く」という願いを込めて名付けられた。体重2800グラムと小柄で生まれ「昔からずっと身長が小さかった子でした」と茂明さんは笑う。

 一家全員虎党という環境に育ったことから、自然と虎戦士に魅了された。小学3年から軟式野球を始め、中学では山形リトルシニアで遊撃手を任された。その頃から元阪神で現ロッテの鳥谷に憧れ「鳥谷選手のような守備をしたい」と決意。進学した日大山形高でも1年時には遊撃を守っていたが、2年時にある転機が訪れる。

 後にヤクルト入りする1学年上の奥村を遊撃に固定するため、中野は二塁に回ることとなった。日大山形・荒木監督は「投げる、捕る。器用でセンスを感じる。元々はショートの2番手だったんですけど、ここは中野を使ってみよう」と、2年時の夏の大会から二塁で先発起用した。

 荒木監督の抜てきが見事に的中。山形大会優勝への立役者の一人となり、甲子園の舞台に立った。初戦の日大三高戦に2番・二塁でスタメン出場。荒木監督は忘れられないシーンがある。

 1点リードの七回無死満塁。是が非でも1点が欲しい場面で打席には中野。粘った末、フォークを捉え右方向へ2点適時打を放ち、勝利を決定付けた。「ボール球を拾ってのタイムリーで。一番印象的でしたね」。この夏の甲子園大会で山形県勢初のベスト4入り。大会では無失策を貫き、堅実な守備でもチームを盛り立てた。

 高校ではプロ志望届を提出せず、東北福祉大へ進学。三菱自動車岡崎を経て阪神から6位指名を受け、再び、甲子園に戻ってくる。幼い頃から夢に掲げてきたプロ野球選手。三菱自動車岡崎・野波監督からの言葉で、プロを目指す決意がより強まった。

 ☆アラカルト

 生まれ 1996年6月28日、山形県天童市生まれの24歳。

 サイズ 172センチ、69キロ。

 血液型 A型

 投打 右投げ左打ち

 家族構成 父、母、兄、姉

 球歴 小3から軟式野球を始める。中学は山形リトルシニアに所属。日大山形では2年夏に甲子園出場。東北福祉大では1年春からベンチ入りし、ベストナイン3度受賞。三菱自動車岡崎に入社後は1年目から遊撃のレギュラーとして都市対抗出場に貢献。

 好きな食べ物 チンジャオロース

 好きな芸能人 相武紗季

 ゴルフは右打ち コースは2度しか回ったことがないものの、ベストスコア98。

 憧れの選手 鳥谷敬

 座右の銘 「夢かなうまで挑戦」

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