ドラ1佐藤は大谷クラス 外角低めへの対応力 元阪神投手コーチ・山口高志氏が絶賛
元阪神投手コーチで現関大野球部アドバイザリースタッフの山口高志氏(70)が26日、阪神からドラフト1位指名を受けた佐藤輝明内野手(21)=近大=について語った。関西学生野球リーグでの対戦を通じて見えた素材の高さを絶賛。外角球、さらには低めの球への対応力を「大谷クラス」と評した。
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山口氏が所属する関大野球部にとって、佐藤はライバルチームの主砲。対戦を通じて、そのポテンシャルの高さを目の当たりにしてきた。
山口氏「馬力があり、飛距離も出る。反対方向にも大きいのが打てる。それが一番の武器ちゃうかな」
身長187センチ、体重94キロ。リーグ新記録となる通算14本塁打を放ち、近大の先輩・二岡智宏(現巨人3軍監督)の記録を塗り替えた怪物はただ者ではない。大学ナンバーワンスラッガー攻略へ、関大も対策を練ってきた。
山口氏「低めでも緩い球はうまいこと打つ。低めのボールゾーンは外角でも振ってくる」
関大投手陣にはそう伝えて警戒させたという山口氏。プロ野球の世界でイメージが重なる選手については、こう話した。
山口氏「往年の選手にもいないなあ、あんなスケールのある打者は…。雰囲気とか低い球をうまいこと打つんやったら、大谷クラスやと思う。体勢を崩してでも打てる」
エンゼルスで活躍する“二刀流”は打者としても超一流。大谷も193センチの長身。パワーだけでなく、柔らかい打撃で低めの難しいボールを拾い、軽々とスタンドインさせる。山口氏はさらに左投手への対応力にも太鼓判を押す。
山口氏「150キロをセンターバックスクリーンに放り込んでるよ。ここで打たな負けるという時に」
ドラフト会議前の9月12日の近大-関学大戦(皇子山)で、驚弾を目の当たりにした。1点を追う九回1死。佐藤は関学大の左腕・黒原の150キロを強振。打球は122メートル先のバックスクリーンに直撃した。プロ10球団のスカウトが視察した中、起死回生の一発で勝負強さもアピールした。
山口氏は佐藤が近大に入学した頃から注目してきた。思い入れもある。
山口氏「将来楽しみやなと思ってた。見る度、だんだん良くなってきた。逸材であることは間違いないだけに、阪神ファンは静かに見守ってあげてほしいな。関西学生リーグの仲間として、阪神OBとして、期待を込めて注目していきたい」
伝説の剛腕は、佐藤の阪神での活躍を楽しみにしている。