阪神・高橋、日本一タカ投に衝撃…直球の重要性再認識「強い、速い球を投げたい」

 「阪神秋季練習」(28日、甲子園球場)

 阪神の高橋遥人投手(25)が28日、4年連続日本一のソフトバンクを参考に、来季4年目の飛躍を誓った。日本シリーズをテレビ観戦し「速い、強い」ストレートの重要性を再確認。秋季練習で取り組んできたテーマを、オフも継続していく考えを明かした。矢野監督、西勇らが来季の開幕投手を奪えと猛ゲキ。将来性豊かなエース候補が進化を遂げる。

 画面越しに受けた衝撃を、高橋は興奮気味に振り返った。「パ・リーグってすごいですよね。あ、僕はセで活躍をしてないので、何にも言えないですけど…」。独走を許した巨人に4連勝し、日本一を勝ち取ったソフトバンク。驚きと同時に、方向性を再確認した。

 「強い、速い球を投げる投手が多かった。見る人も憧れるし、自分もそういう直球を投げたいと思ってきた」

 24日の第3戦では先発のムーアが7回を無安打無失点投球。巨人打線を完璧に封じた。この試合、侍JAPANの前監督・小久保裕紀氏はテレビ解説内で「セ・リーグでは高橋遥人が一番近い」と証言。左腕もシーズンの収穫と反省を精査し、改めて直球を磨くと決意したところだった。

 左肩コンディション不良で出遅れた今季は、12試合の登板で5勝4敗、防御率2・49。10月5日の巨人戦(甲子園)では、球速を10キロ以上落とした直球を軸に、5安打1失点で初の完投勝利を手にした。終盤は5試合の登板で3勝1敗。ただ、振り返れば「複雑だった」と胸中を明かす。

 「ここ数年で一番悪いボールを投げていた。新しい攻め方にはなったんですが、なにしているんだろうというか。苦し紛れでした」

 ケガの功名。新たな引き出しになったが、来季に向けて不安は募った。秋季練習では頻繁にブルペン入りし、「速くて強い」直球の質を求めた。下半身&インナー強化に、ウエートトレーニングに重点を置き、ここにきて「ある程度納得して、いいボールも増えてきた」と収穫があった。

 矢野監督、西勇から名指しで来季、開幕投手を奪えと猛ゲキが届く。真価が求められる4年目シーズン。「みんなに置いていかれないように、追いつけるようにしたい」と、競争の一角に食い込む覚悟を秘める。近未来のエース候補。打倒・巨人のカギを握る。“虎のムーア”を指標に、妥協なきオフを過ごす。

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