阪神・高山 陽川吹っ飛ばした!ファン感MVP「立ち向かう姿を野球に生かして」
阪神は5日、西宮市内の甲子園室内練習場で、史上初となるオンラインでの「ファン感謝デー2020」を開催。高山俊外野手(27)がMVPに輝いた。空気で膨らませた巨大な透明のボールの中に入ってぶつかり合うゲームで、陽川をはじき飛ばす奮闘ぶりが評価され、55型4Kテレビをゲット。今季は自己ワーストの成績に終わっただけに、来季への悲壮な決意を語った。
MVPの発表で名前が呼ばれた瞬間、高山はただただ驚きの表情を見せた。
決め手は“立ち向かっていく姿”だった。巨大な透明のボールに入ってぶつかり合い、ゴールを目指す「バブルボールバトル」に参加。「野生児対決」と銘打った勝負で秋山とコンビを組み、陽川&江越と対戦した。開始直後の江越の体当たりによろけながらも突進。明らかに体格で上回る陽川を吹き飛ばしてゴールへ駆け込み、見事に勝利してみせた。
「陽川さんに立ち向かっていく姿がたぶん決め手だと思うんですけど、その立ち向かう姿勢を来シーズンはもっと発揮して野球に生かしていきたいと思います」
頭が真っ白になり、「とりあえず言うしかない」と向かった受賞のあいさつ。とっさに考えたとは思えぬほど、しっかりとした言葉が口を突いたのは、自分の置かれている立場を十分に理解しているからかもしれない。
今季は1軍に定着できず、10月14日に2軍落ちしたまま、シーズンを終えた。1軍ではわずか42試合52打席の出場。打率・152も含め、すべてが自己ワーストに終わった。
「周りは“ファン感”じゃなくて野球でやってくれと思うだろうけど、僕も一番それは分かっている。バネにして、もう来年は厳しいところなんで、それをはね返す勢いがないと駄目だと思うから」
悲壮な決意で挑む来季は、残留がほぼ確定したサンズ、そして外野を守ることが有力となっているドラフト1位・佐藤輝(近大)らとの争いにも勝たなければならない。
「今日を機にいい方向に風が吹くように。そういうふうに考えながらやっていきたい。来年やって思い切り(周りに)手のひら返しをしてもらえるように」。このままでは終われない。厳しい現状に立ち向かい、輝きを取り戻してみせる。