阪神・藤浪「先発以外頭にない」ファンに約束4年ぶり聖地星 5年連続ダウン更改
阪神・藤浪晋太郎投手(26)が16日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、300万減の年俸6000万円でサインした。今季は24試合に登板して1勝6敗7ホールド、防御率4・01で、16年の1億7000万円から5年連続ダウンとなった。先発一本で勝負する来季。17年4月27日・DeNA戦以来、4年ぶりの甲子園白星を弾みに、5年ぶりの規定投球回到達を目指す。(金額は推定)
感謝の1勝から復活ロードの再スタートを切る。5年連続の減俸にも、藤浪の表情と言葉の端々に自信が見え隠れした。17年以来、4年ぶりの“聖地星”をファンに約束だ。
「もちろん早く勝ちたいなという気持ちはありますし、楽しみにしてくださっている方がいると思う。来年はしっかり勝てるように頑張りたいと思います」
春夏連覇を達成した高校時代から「聖地の申し子」と称され、阪神入団後も不敗神話を続けた。だが、不調に陥ると同時に甲子園は鬼門となり、17年4月27日のDeNA戦を最後に、白星から遠ざかっている。
今季は甲子園で15試合に登板し、0勝3敗6ホールド、防御率3・97。中継ぎで自己最速の162キロをマークすると、先発に復帰した終盤は3試合15イニングで1失点(自責点0)と好投を重ねた。白星の予感は漂っている。
「自分の中では先発以外は頭にない。先発で勝てるような選手になっていきたい」
来季は先発一本で勝負する心意気だ。スタンドの熱狂を呼ぶ球速に関しては「打者を抑える手段であって、目的ではない。出ればいいなくらいの気持ち」とサラリ。15年に199イニングを投げたスタミナこそストロングポイント。16年以来、5年ぶりとなる規定投球回到達も通過点とする。
「最低限の目標にしたい。先発完投がなくなってきているので、ちょっとでも長いイニングを投げていけたらと思っています」
今オフは甲子園や京都のトレーニングジムを拠点にして自主トレ中。復活の機運が高まっても、藤浪はシーズン成績を直視する。「1勝しかできなかった。最後に良かった感覚を数字で体現できるように、そういうシーズンにしたい」。確かな手応えと共に、復活イヤーに備える。