高校恩師が絶賛する阪神・近本の人間的魅力 「本当にまれな子どもだった」

 阪神・近本光司外野手(26)が兵庫・社高時代の恩師との新春対談に臨んだ。元社高野球部監督・橋本智稔氏(53)=現兵庫県立農業高教頭は、近本と取材構成を務めた井上慎也記者(28、同校野球部で近本の先輩)の高校時代を振り返りつつ、近本の人間的な魅力について「本当にまれな子どもだった」と絶賛した。

  ◇  ◇

 橋本氏(以下橋本)「今回、ロッテのコーチとして現場復帰される社高OBの森脇さんが後輩たちに送られた言葉があって。『明朗』、『実直』、『一所懸命』というこの3つ。これらが人を成長させるんだという。この言葉に近本はそうやなと思わせる部分がある。物事に明るい。マイペースというのもそういうことだと思うんですよね。自分のやることはしっかり分かっているよ。それを他人に不快感を与えることなくできる。『実直』というのは一生懸命に努力できる。真面目にごまかさずに努力できるそういうところかと思う」

 井上記者(以下井上)「本当に近本は真面目にこつこつと取り組んでいましたね。橋本先生、おこがましいですが、プロ野球選手の近本と記者になった自分を比べてどこが違いましたか」

 橋本「人は人の評価と他人の評価を受け入れられなかったり、違うところも多々あるんだけど、それを見ようとするのが一般論だと思う。例えば、井上は大学(関学大野球部)で不完全燃焼だったと思う。なかなか、芽が出なかった。その中でも、自分の思いと周りの評価というものをうまくバランスを取って生きる道があった。(記者として)好きな野球に関わっていけて生きる道。周りとのバランスをうまく調和できたのが井上だと思う」

 (続けて)

 「近本はわがままというわけではないが、すごく自分の軸がある。でも、その軸に周りが不快感を示さない。本当にまれな子どもだったと思う。自分の評価をしっかりと自分でできる。だから、受け答えも冷静にできているんじゃないかな。自分の中で感情も殺しながら、整理しながらできるのが近本。社会人時代の影響も大きい?」

 近本外野手(以下近本)「僕の中では高校の寮生活が大きいです。それまでは、自分で何かを考えようとはしなかったんですけど。集団で生活するというのはよかったんじゃないかなと思います」

 井上「社高の体育科は集団で生活することが多かったですね。寮だけでなく、遠泳やスキー、ゴルフなど実習もたくさんあったので、部活だけでなく生活のほとんどが集団生活だったと思います」

 橋本「近本は泳げなかったな。スキーも初めはできなくて」

 近本「はい、泳げないです。スキーは最後に免許(国際スキー技術検定)を取れましたよ」

 井上「できなくても諦めないで克服していく姿勢はすごい。その姿勢は今でも変わらないと思う」

 橋本「近本が今、子どもたちに与えている、スポーツの楽しさや素晴らしさというのは、これはやっぱり伝えていかないといけない。近本を見ているファンだけじゃなく、子どもがいるというのも背負わないといけないことだと思うよ」

 井上「来年は近本にどういった選手になってもらいたいですか?」

 橋本「最近は、スポーツの二極化(スポーツをする子としない子)や勝利至上主義が問題視されているけれど、スポーツは本来、楽しいもので人を明るくする力がある。近本にはその魅力を伝える使命があると思う。コロナ禍で大変な時期だからこそ、明るさを発信してほしい」

 近本「来年はケガなくシーズン通してベストパフォーマンスでできることが、チームにとっての一番の貢献だと思うので。トレーニングしかり、日々の行動をもう一度、高校の時の寮生活というのを意識しながらチームの先頭に立って頑張っていきます」

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