阪神・北條、巨人・坂本から金言「技術を磨け」 レギュラー奪回へ異例の弟子入り実現
阪神・北條史也内野手(26)が15日、国内で球団を通じて取材に応じ、合同自主トレ中の巨人・坂本勇人内野手(32)から数々の金言を授かったことを明かした。昨季出場機会が激減した北條から、光星学院(現八戸学院光星)の先輩・坂本勇に弟子入りを志願し、初めて実現した。偉大な先輩の技術を吸収し、レギュラー奪回を目指す。
北條は大先輩の一挙手一投足を目に焼き付けている。濃密な時間を無駄にはできない。「シンプルに技術を磨けと言われました」。悩める北條の心に、坂本勇の言葉が突き刺さった。
背水の覚悟で先輩の胸に飛び込んだ。昨季は40試合出場で打率・192、2本塁打、7打点。1軍定着後ワーストの成績に終わり、「何かを変えたいと思った」と自主トレ変更を決断。過去5年間はヤクルト・山田らと汗を流していたが、退路を断って“坂本塾”の門をたたいた。
「バッティングも守備の面でもすごくくすぶっている」。後輩の現状を憂う坂本勇は快諾。「一緒に高め合っていければいい」と手をさしのべ、異例のTGタッグが実現した。
「技術的なことなので具体的には言えないですけど、キャッチボールでも守備でも打撃でも、一つ一つの動きや意識について、いろいろとアドバイスしてもらっています」
打撃、守備だけでなく、メンタル面の助言も授かり、北條は感謝しきりだ。昨季通算2000安打を達成した坂本勇はベストナイン、ゴールデングラブ賞などを獲得し、経験も豊富。北條にとっては最高の手本が目の前にいる。
「一緒に練習させてもらって、いろいろと教えてもらって本当にありがたいですし、全てを吸収したいです」
キャンプではし烈な競争が待つ。二遊間争いは二塁・糸原、遊撃・木浪が一歩リードしている状況だ。プロ9年目。立場は厳しくなるが、「使ってもらえるようにアピールして、しっかり結果を出す」と闘志はメラメラと燃えている。背番号も慣れ親しんだ「2」から「26」に変更。心機一転で勝負に挑む。
「背番号や自主トレなどいろいろと変わりますけど、今シーズンはそれが全ていい方向に行くと信じて思い切ってやっていきます」
かつて“坂本2世”と呼ばれ、プロの世界に飛び込んだ。先輩の顔に泥はぬれない。現状を打ち破り、レギュラーを奪い返す。