川相昌弘氏 阪神よイージーミスなくせ エラー映像集で課題研究「何十個か減る」
阪神のキャンプで臨時コーチを務める川相昌弘氏(56)が17日、地元・岡山で行われる予定だった「川相昌弘杯少年野球交流大会」の中止を受け、オンライン取材に応じた。球団に昨シーズンの“エラー映像集”を注文したことを明かし、分析した結果「大半はイージーミス」とキッパリ。ゴールデングラブ賞7度の井端弘和氏(45)ら名手の共通点、基礎基本の重要性を植え付ける考えを示した。
昨年末、阪神からの臨時コーチのオファーを受諾した川相氏は早速、動いていた。球団に昨季の失策した場面を集約した映像の提供を求め、送られてきたDVDで積年の課題を研究。「大半はイージーミスだと思う」という結論に至った。
では、どんな方法で簡単なミスを撲滅させていくのか-。同氏は中日、巨人のコーチ時代に指導した井端氏の現役時代を回顧。一球一球のノックに妥協せず、年数を重ねても基本に忠実に足を使って捕球動作を繰り返す姿を見て、「やっぱり一流なんだな」と思わされたことを明かした。
同じく指導に携わった現中日・荒木内野守備走塁コーチ、巨人・坂本勇にも共通する名手の礎。「そういう選手に少しでも近づいていってほしい」。2月1日から「基本に忠実にやる練習」を浸透させ、その上で個別練習より内外野の連係プレーに重点を置く方針を示した。
3年連続で12球団ワーストの失策数(18年・89、19年・102、20年・85)を記録している阪神。川相氏は「普通にきっちりプレーしておけばエラーは何十個か減ると思う」と確信を込めて話し、一塁手のディフェンス強化もテーマの一つに設定した。
昨季は7選手が一塁を守り、ボーアとマルテで計15失策。「ファーストにミスが多いと、他の野手の人たちも送球にプレッシャーがかかる。サインプレーに参加する機会も多い」。ショートバウンドの捕球練習や複雑な連係プレーは必須課題。「強化できるとチーム全体の守備力も上がっていく」と力説した。
通算533犠打の世界記録保持者としてバント技術の指導も期待される臨時コーチ。「もっと上を目指せると思っている」。16年ぶりのリーグ優勝を目指す矢野阪神に、いぶし銀の職人技を注入する。