阪神OBが元G川相臨時コーチに期待すること 守備力向上のカギは?
2月の阪神キャンプで、元巨人の川相昌弘氏が臨時コーチを務める。3年連続で12球団ワースト失策という虎の守備陣。どこに改善ポイントはあるのか。
川相氏はすでに昨季の失策場面を集約した映像から分析。「大半はイージーミス」とした。さらに過去に指導したことのある名手、元中日内野手・井端弘和氏が現役時代に練習で一球一球、足を使って捕球動作を繰り返していた姿を思い返したという。
かつて阪神で野手チーフコーチなどを務めたデイリースポーツ評論家・岡義朗氏も、足が使えるようになることを守備力向上のカギに挙げる。
「エラーをしたり、悪送球になったりするときは、たいがい足が止まってしまっている。足を使って守ることができれば、エラーも自然と減ってくるはず」
主に守備担当のコーチとして、評論家として、長年阪神を見続けてきた岡氏が気になる守備のポイントがある。これを同郷岡山出身でもある川相氏がいかに指導するのか、期待している部分もあるという。
「足を使えていないことにもつながるんだけど、内野ゴロに対して前に出てこられない選手が目立つ。内野手は前に出ていきながらバウンドを合わせ、タイミングを合わせ、送球までの一連の動作、リズムを作り上げていく。打球を待って捕ると、体の動きがいったん止まることでスムーズに送球動作に入れない。そうなると力みや焦りも生まれる。その結果、送球が高めに浮いたり、引っかかったりしやすくなる。打球は捕ったけど悪送球というパターンは、ほとんど捕球の形が悪いことが原因。これを川相コーチがどう教えていくのか期待したいね」
内野手が前に出られるようにするための指導法。ちなみに岡氏はかつて、内野手にこんな練習を反復させたという。
(1)ゴロの打球に対して、外野手のように猛チャージをかける。
(2)外野手と同じように右投げなら左足の外側でゴロをさばく。
(3)徐々に足を開いていって、正面で打球をさばけるようにしていく。
ここで問題になってくるのが、土と人工芝の違いだ。土は人工芝よりもイレギュラーする可能性が高い。それを考えて慎重に打球を見過ぎた結果、前に出られないケースもある。
すでに阪神内野陣の動きの特徴を把握しているであろう川相氏。どんな改革をもたらすのか。その手腕に阪神OBたちも注目している。