岡田彰布氏 阪神ドラ1佐藤輝のポジションは?「大前提は打つことよ」

 阪神、オリックスで監督を歴任し、デイリースポーツ評論家を務める岡田彰布氏(63)が、自身の見識を基に球界の話題を深掘りする「岡田辞典」-。キャンプインが間近に迫ってきた今回は、阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(21)=近大=の起用法について語った。監督時代に黄金ルーキーの鳥谷を育て上げた岡田氏。ただ佐藤輝とはタイプの違いを認識することが重要だと説いた。

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 いよいよキャンプが近づいてきたな。ここまでの報道を見ていると、ドラフト1位の佐藤輝は首脳陣が求める外野用に加え、一、三塁用のグラブも準備してるみたいやな。ポジションはどこになるんか…。これは難しい問題になるかもしれんけど、鳥谷とはタイプが違うことを頭に入れておいた方がいいと思うな。

 監督1年目の2004年に新人の鳥谷を開幕ショートで使ったんやけど、あの時は守り優先で考えていて、試合に使っていく中で打撃が伸びてくれればと思っていた。一方で佐藤輝はまず打つことが大前提の選手。とにかくキャンプで見て、打つ方で使えるという確信を首脳陣が持てれば、そこから起用する場所を探していく形になるんとちゃうか。

 佐藤輝は大学4年時は三塁を守っていた。俺が入学直後のオープン戦で見た時は、外野をやっていたと思う。守備力がどうだったかまでは正直、覚えてないけど、最初は三塁で大山と競争させたらええんちゃうかな。大山も去年は成績を残して、俺も期待を込めて「4番・三塁」という開幕オーダーの予想をしているんやけど、本音を言えばまだまだ伸びてほしい選手や。

 そのための刺激になるのであれば、競争させる意味は十分にあると思うよ。そして監督的な視点から言えば、万が一、シーズン中に大山に何らかのアクシデントが起こった時、代役で佐藤輝を三塁で試しておくのは危機管理の一つよ。

 だから最初は大山と三塁で勝負させて、ホンマにレギュラーを張れるだけのバッティングがあるなら、そのまま三塁でもいいし、他に一塁でも外野でも考えていけばいい。最後は監督が見極めて、チームが最も機能する形をキャンプ中に作ることが重要よ。

 俺も新人時代にいろいろあったんやけど(注1)、監督のブレイザーから「いきなり1年目から新人を使うことはない」と言われたことに比べれば、まだ佐藤輝はええよ。鳴り物入りで入って、打てば必ずチャンスはあるわけやから。そういう意味でもキャンプは楽しみやな。

 ※注1 岡田氏のプロ1年目 1980年の春季キャンプでブレイザー監督から「力のある新人でもメジャーでは最初から試合に起用することはない」と告げられる。ヤクルトから獲得したヒルトンが開幕直後から不振に陥り、5月に途中退団。ブレイザー監督も球団と対立し途中辞任。中西太監督に交代後、岡田氏はレギュラー二塁手として起用された。オールスター第1戦ではMVPを獲得。打率・290、18本塁打、54打点で新人王に輝いた。

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