「阪神春季キャンプ」（８日、宜野座）

　阪神に新加入したチェン・ウェイン投手（３５）＝前ロッテ＝が８日、キャンプ３度目のブルペンに入って７７球を投じた。矢野監督から「１５勝頼んだで」と声をかけられると笑顔で返答。日米通算９５勝左腕が奮起を誓った。

　頼れる男が徐々に強度を上げている。これまでの倍以上の球数を投げ、チェンジアップやカーブなど変化球も交えながら、力強いミット音をリズム良く響かせた。

　「まだ感覚を探している段階。真っすぐをしっかり自分の感覚で投げていくようにならないと変化球も伸びてこない」。プロ１８年目の経験を駆使し、順調に調整を進めている。

　矢野監督の“１５勝指令”に全力で応えるつもりだ。オリオールズ時代には１６勝を挙げた経験を持つ左腕は、「そういう数字を達成できるにこしたことはないですけど、一番はチームの勝利を頭に入れて調整していきたい」。指揮官も「そらそうでしょ！１０勝くらいで来てほしい言うてるんちゃうんやから！チームの中心になってもらいたい」と活躍を待ち望む。

　西勇、青柳、秋山、高橋、藤浪らが並ぶ先発陣の層は厚い。チェンが加わり、実力を発揮すれば悲願達成も見えてくる。頼もしすぎる新助っ人が虎を頂点に導く。