【藤田平氏の眼】横一線の阪神遊撃争い 木浪、山本の守備力互角
「阪神春季キャンプ」(17日、宜野座)
阪神の今キャンプでの内野陣の守備練習で気になった点がある。チーム方針か、選手が意識的にしているのかは定かではないが、正面の打球に対するグラブの出し方に違和感を覚えた。遊撃の定位置を争う巨人から移籍してきた山本や木浪ら、ほとんどの選手がそうだった。
グラブを上からかぶせるように出せば、打球への視界を遮る時間ができる恐れがある。つまり打球を見失う時間ができ、イレギュラーといった不規則な打球になった場合、失策につながりかねない。間一髪のプレーなら仕方ないが、正面の打球には基本通りグラブを下から立てるように出した方がいいだろう。
また、緩いゴロの打球に対して、一度、三塁方向へ動いて回り込むようにしながら捕球している。その余裕があるのなら、より前で捕球する意識を持ってほしい。捕球までの時間が早いほど、送球するまでの時間に余裕が生まれる。
ボール回しにしても、相手からの送球をベースより前で捕球している。タッチプレーを想定すれば、追いタッチにならないようにベース後方で捕る方がいい。
チーム失策数は3年連続でリーグワースト。キャンプを見る限り、遊撃争いは横一線の印象で、特に山本と木浪の守備力は互角だ。
両者に限れば1年間で最も多かった出場試合数は、山本が2019年の92試合、木浪も19年で113試合。キャリアの似た部分もあり、意識することもあるだろう。残りのキャンプは試合を意識して技術を高めてほしい。