阪神ドラ1佐藤輝140メートル弾 「エグいな」矢野監督もあ然4安打
「練習試合、DeNA2-6阪神」(18日、アトムホームスタジアム宜野湾)
怪物が宜野湾に襲来だ!阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(21)=近大=が18日、練習試合・DeNA戦(宜野湾)に「3番・三塁」でフル出場。右中間のスコアボードを越える推定140メートル弾を放つなど、4安打3打点と大暴れした。他の追随を許さない圧倒的な破壊力に矢野燿大監督(52)も「それにしても…エグいな!」と驚嘆。実戦5試合連続安打に打率・500と勢いは止まらない。
やはり、佐藤輝はただ者ではない。独壇場のフィナーレは2点リードの九回2死二塁。伊勢の高めの直球を振り抜き、詰まりながらも打球は右中間のスコアボード上空を通過した。右翼から左翼への強風をものともしない推定140メートル弾。驚がくの実戦2号2ランに宜野湾の球場は一瞬、静寂に包まれた。
「風で戻ってくると思って。走ってたら入っていました。最後は甘かったので、しっかり捉えることができて良かったと思います」
ダイヤモンドを1周して三塁ベンチに戻ると、待ち受けていた仲間たちに向けてゴリラポーズ。「陽川さんがいつもやっていると思うんですけど、それを『1回やれ』って言われてやりました」。ムチャぶりの返しも100点満点。既にチームに欠かせない存在だ。
初回は昨季10勝を挙げた大貫の直球を右前に運び、中継プレーの隙を見て一気に次の塁へ。先制の適時二塁打で勢いづくと、三回は左中間にはじき返した。七回には武藤から二塁強襲の二塁打をマークし、終わってみれば4安打3打点。矢野監督もあ然としていた。
「最後のホームランはね…。風も…どうか分からんからあれやけどさ。それにしても…エグいな!う~ん。どこまでいくんだろう」
実戦5試合連続安打で打率・500、2本塁打、6打点。初の同一リーグ相手、さらに主力級の投手から奏でた快音に価値は増す。井上ヘッドコーチは「頭一つ、二つ出ているのかなっていう評価をせざるを得ないくらいの結果を出している」と背番号8の“現在地”を冷静に分析した。
大山が腰背部の張りから実戦復帰すれば、再び外野に戻る可能性が高い。ライバルはこの日2安打の高山、プロ通算1696安打の糸井、高卒2年目の井上ら多数。よーいドンでスタートした定位置争いは現在、佐藤輝が一歩リードしている。
「長打というのが魅力だと思うので、これからも続けていければいいかなと思っています」。金の卵に浮かれた様子はない。フルスイングを貫き、猛虎の歴史を変えてみせる。