阪神・大山 優勝キャプテンになる!昨季マルテがケガで4番に「悔しさありました」
阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏(63)が、阪神・大山悠輔内野手(26)と対談した。共に右打者で虎の4番に座った経験を持つ2人のトークは、岡田氏がバットを手に大山のクセを指摘するなど白熱。05年以来16年ぶりの優勝には右打者の活躍が重要と指摘し、大山自身も「優勝キャプテン」になることを誓った。その2。
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岡田「一昨年、4番を変わった時期があったやんか。それどんな気持ちやったん?」
大山「いや、悔しかったですね。成績もよくなかったですし…」
岡田「ホームランも何本くらい?」
大山「12本くらいですかね」
岡田「当然、悔しいわな?」
大山「そうですね」
岡田「去年、4番を取り返しに行って実績を残してというシーズンやったけど、スタートはベンチやった。4番という意識は無くなってた?」
大山「いや、自分は開幕からスタメンで一番打つという気持ちでやっていたんですけど」
岡田「そら、当然やわな」
大山「オープン戦で首位打者を獲れて、これで行けるという気持ちの中で延期、延期となってしまって…」
岡田「それでおかしくなったんや?」
大山「自粛明けの練習試合でも、結果を残せなくて。それでもうマルテというふうになってしまいました」
岡田「でもマルテがサードを守ってたやんか。前の年は4番で。そら相当の悔しさがあったはずよな?」
大山「そうですね。やっぱり。マルテがケガしたことで4番に入ったんですけど、悔しさはありました」
岡田「でも昨季途中で打ち方を変えたよな?かち上げるというかな。バットのヘッドをだいぶ、(投手側に)倒してるよな?」
大山「自分のクセと言うか、どうしても突っ込んでしまう部分があるので。トップを作っても、そこから前に行ってしまって、もったいなくなっている部分があったので。どうやったら(トップ時の)割れができるかなというのを考えて。ヘッドを倒すことによってですね」
岡田「言い方の違いはあるけど、悪く言えば遠心力を使って飛距離を出そうという考え方。一方ではインサイドからバットを出そうという意識があるよな。グリップから出て、インサイドからヘッドが出てくる。それが遠くに飛ばせるスイングよな。去年の途中からフォローが上に向き出したやろ?」
大山「はい」
岡田「去年の途中から打ち方を変えたなと思ったよ。それでホームラン増えたよな?」
大山「そうですね。自分の中でヘッドを倒したらダメだと言われたんですけど、それをイメージしたらよかったんで」
岡田「でもちょっと今年のキャンプでは(バットのヘッドを)入れすぎちゃうか?緩いボールはええけど、ゲームの中では差されるやろ?」
大山「そうですね。キャンプ序盤はそういう感覚でしたね」
岡田「それは自分で調整せなあかんよ。去年のいい時のころと比べて、ボール半分くらい差し込まれてるよな?」
大山「そうですね。はい」
岡田「差されると、力が伝わらへんからな。やっぱり自分のポイントで打たんとな」
-昨年、4番を務め上げたことで見つけた新たな発見はある?
大山「どうですかね。去年、結果が出たと言っても、危機感というのはしっかり持っているので。そこはしっかり持たないといけないかなと考えています」
岡田「でも強いチームというのは、だいたい右のええバッターが多いんよ。勝っているチームはね。だからそういうことよ」
-岡田氏から見て、今年の大山に期待することは?
岡田「ゆっくり走ることよな。そして打席の中に長いことおること。テレビに映ってな(笑)。俺らの時は前のバッターがよう打つんよ。スタンドがにぎやかなんよ。だから初球なんか集中できひんから、絶対に打たんかった。そういう気持ちを持ってれば楽よ」
(続けて)
岡田「ファーストストライクも、ワンストライクも、追い込まれてからもストライクゾーンは一緒なんよな。そう考えてほしい。4番にいたら初球の方が怖いんよ。相手ピッチャーが5種類の球種を持っているとするなら、初球にフォークという可能性が4番にはあるんよ。それ絞れるか?でもツーストライク以降ならチャンスの場面で5種類の球種が2、3種類になる。そっちの方が打てるよ」
大山「はい」
岡田「追い込まれてもストライクゾーンは変わらへんから。バットはストライクゾーンの広さよりも長い。ましてや腕の長さもある。追い込まれても怖がる必要はないし、三振を怖がらなくてもいい。今年の目標はどこに置く?」
大山「優勝ですね。今年はキャプテンという立場もあるので。優勝とチームのこと。もちろん自分のこともありますけど、チームとして考えることも多くなるので。優勝キャプテンになりたいので、優勝したいなと思っています。もちろん4番ということもありますけど、実際、試合になったら何番でも関係ないと思いますし。その場面、場面で選手たちが力を発揮できるように、チームを引っ張って行けるように頑張っていきたいと思います」