阪神・高山6度目マルチ安打!実戦打率・467 猛アピールで開幕スタメン争い激化!
「練習試合、中日1-8阪神」(27日、Agreスタジアム北谷)
レギュラー争いが一気に熱を帯びてきた。阪神・高山俊外野手(27)が27日、練習試合・中日戦(北谷)に「6番・DH」で出場。3試合連続となるマルチ安打で、今キャンプでの実戦打率を・467とした。この活躍により定位置争いはさらに激化。残り1カ月での開幕スタメン争奪戦から目が離せなくなってきた。
高山らしい“曲芸打ち”が飛び出した。三回に高山が技ありの一打を放った。昨季のセ・リーグ最優秀中継ぎに輝いた左腕・福が投じた外いっぱいに逃げていくスライダー。これに体勢を崩されながらもバットを差し出して“チョン”と当てると、打球が左翼前で弾む。高山は一塁ベース上で手をたたきながら控えめに喜んだ。
初回には沢村賞投手・大野雄から中犠飛。七回には山本の直球を捉えて一、二塁間をきれいに破り、3試合連続となるマルチ安打をマークした。紅白戦を含めた今キャンプの実戦10試合で30打数14安打、打率・467。実に6度のマルチ安打を決めている。
この男の快進撃で、外野の定位置争いがより一層アツくなってきた。「本人も手応えはすごく感じているし、俺らから見てもちょっと違うなという感じにしっかり見える」。その変貌ぶりに目を細めた矢野監督は「いろんな選手が出てきて、チーム全体の力が上がってきている」と手応えを口にする。
コロナ禍で大物新助っ人・ロハスが開幕に間に合わないことが確定的な状況。高山だけでなく、ルーキー・佐藤輝もキャンプ序盤から大物ぶりを見せつけている。糸井もベテランの意地で簡単には引き下がれない。さらに一塁での出場を視野に入れるサンズも、マルテの活躍次第では昨季同様、外野に回る可能性が出てくる。
「去年もこの時期までは良かった。今のままじゃダメだと思いますね、(主力は)みんな出てないですし。ここからが自分の中で本番」。これまでよりオープンに構える新打法で完全復活の気配を見せる高山も、アピールの機会が減っていくここからが本当の勝負だと気を引き締める。
近本の「1番・中堅」はほぼ確定的だが「明らかに“ここはこの選手”というのが多く決まっているわけじゃない」と指揮官。開幕まで1カ月を切った。キャンプが終了しても、外野の両翼レギュラーをかけての激しいアピール合戦は続いていく。