阪神・高山 2年連続春季キャンプMVP!正右翼手有力候補、11試合打率・429
「阪神春季キャンプ」(1日、宜野座)
阪神・高山俊外野手(27)が1日、矢野監督から2年連続で春季キャンプMVPに選出された。キャンプの実戦全11試合に出場して打率・429と絶好調で、右翼のレギュラー有力候補となった。それでも浮ついた様子は見せない。オープン戦でもアピールし、18年以来3年ぶりの開幕スタメンをつかみ取る。
大卒6年目の危機感と覚悟が結果として表れた。高山が2年連続の春季キャンプMVP。「いや、もううれしいですね」。昨年とは違う喜びが心の中に広がっていた。
「去年は本当に目立つことだけを考えて、がむしゃらにというところで指名してもらって。今年は自分の中で課題を一つ一つ消化していってというところで、それを評価してもらえてうれしいです」
並々ならぬ決意は表面上に出さず、静かに自身の課題と向き合った1カ月間。「打撃に限って言えばもう一つやりたいことがあったんですけど、そこまでいかなかったことがちょっと悔しいかな、と」。飽くなき向上心が原動力。指揮官は精神面の成長を評価した。
「野球に対する姿勢であったり、野球に対して本気になった。高山がこの何年かで変わってきたところがこのキャンプで数字的にも出ているし、姿勢にも表れたかなっていう」
高山は今キャンプの実戦全11試合に出場して打率・429。ドラフト1位・佐藤輝(近大)と競い合うように快音を響かせ、現在も4試合連続安打中と好調を維持している。
ベテランの糸井や猛アピール中の陽川らライバルを差し置いて、右翼のレギュラー有力候補に踊り出ている。
だが、背番号9に慢心はない。昨年もキャンプMVPをゲットしたが、シーズンでは自己最少42試合の出場に終わった。
オープン戦が始まるこの時期からが本当の「勝負」と高山は気合を込める。「去年はそこで勝てなかった。自分に勝てなかった」。5日・ソフトバンク戦(ペイペイドーム)から、18年以来3年ぶりの開幕スタメンへ向けて再び競争がスタートする。「立場的にも本当に苦しい」と話す2016年の新人王が、大逆襲の春を突き進む。