阪神・大山 お待たせ新主将1号!10球粘って高橋礼撃ち 日本一ソフトバンク連倒
「オープン戦、ソフトバンク1-3阪神」(6日、ペイペイドーム)
主砲がお目覚めの一撃や!阪神の大山悠輔内野手(26)が今年の実戦初本塁打となるオープン戦1号を放った。0-0の四回、下手投げの高橋礼から左翼席へ先制ソロ。キャンプ途中に腰背部の張りで調整が狂ったが、やっとエンジンが掛かってきた。今年からキャプテンの重責を担う4番が、開幕へさらに調子を上げていく。
豪快アーチで復活のノロシを上げた。大山は左足を高々と上げ、アンダースロー高橋礼のシンカーを強振した。ピタリとタイミングを合わせた打球はペイペイドームの左翼席へ。待ちに待った“キャプテン1号”で敵地をどよめかせた。
「追い込まれた中でしっかり粘ることができましたし、その中でもうまく打つことができて良かったです」
中身が濃い一打に本人は納得顔だ。3球で追い込まれた後、ボールを見極め、際どい球はファウルにした。耐久戦の10球目。フルカウントから真ん中低めに沈んだ110キロをバットの芯で捉えた。
「オープン戦ですけど、シーズンでもこういう0-0の中でああいう一発が流れを変えると思うので、個人としてもチームとしても良かったです」
シーズン開幕の足音が聞こえ始める中、きっちりと状態を上げてきた。キャンプでは腰背部の張りで別メニューを余儀なくされ、我慢の日々を過ごした。実戦復帰した2月28日の練習試合・ヤクルト戦(浦添)は2打数無安打に終わり、オープン戦初戦の前日は3三振と精彩を欠いていた。
試合後、コーチと話し合い、ビデオでフォームをチェック。「内容と自分の感覚が良くなかった。今日は自分の中でもいい感覚で振れた」。主砲らしい一撃に矢野監督もニンマリ。「いいピッチャーからのホームランというところで、気持ちも新たにまた前を向く一本になったと思う」と指揮官を安心させた。
今季も新主将が打線の軸だ。チームはこの日、超攻撃型オーダーを採用。2番に佐藤輝を入れ、助っ人のマルテ、サンズを同時起用したが、1番近本と4番大山は不動だった。激しく定位置を争った昨季とは立場が違う。左胸元のCマークに自覚は強まるばかりだ。
「自分のことをしっかりやることでチームにプラスになると思うので、一人一人がもっと頑張れるようにやっていきたい」
オープン戦とはいえ4年連続日本一のソフトバンクに連勝スタートだ。優勝を狙える戦力が整いつつある今年。大山が4番にどっしり座り、チームを束ねていく。