阪神ドラ1佐藤輝、甲子園初打席タイムリー 虎党の応援を力に変え痛烈追加点打!
「オープン戦、阪神6-4広島」(9日、甲子園球場)
ホンマにすごいルーキーやで…阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(21)=近大=が、甲子園で行われたオープン戦・広島戦の第1打席で、右翼線へタイムリーを放った。新人の甲子園初打席初適時打は02年の浅井以来。オープン戦単独首位に立ったチームに吹き続ける“佐藤旋風”は、まだまだ収まりそうにない。
この日一番の拍手を受け、虎の黄金ルーキーは悠然と甲子園のバッターボックスに入った。幼い頃から通った本拠地でのタテジマ初打席。佐藤輝の一挙手一投足に5131人の視線が集中する。応援を力に変え、鮮烈な聖地デビューを飾った。
「人数もまだ少ないですけど、すごく応援も聞こえて。自分のタオルを掲げてくれていたのでうれしかった」
初回、1点を先制しなおも2死一、二塁。フルカウントから矢崎が投じた外角128キロスライダーを強引に引っ張り込んだ。痛烈な打球は一塁・クロンのミットをはじき右翼線へ。追加点となる適時打にヒッティングマーチをかき消すほど、虎党は大盛り上がりだ。
関西のファンへあいさつ代わりの一撃。「いいところで初打席、打てたので良かった」と、少しだけ充実感に浸った。
豪快なフルスイングも見せた。七回の第3打席では常時150キロ以上の直球を投じる島内との対戦。1ボールから2、3球目の剛速球にマン振りで応戦し、バットが空を切る。これには球場も大きくどよめいた。最後はフォークで空振り三振に終わったが、力と力のぶつかり合いも見応え十分だった。
小学生の頃は父親に連れられ、足を運んだ甲子園。「雰囲気を楽しみに行っていた。応援が楽しかった記憶はあります」。スタンドで現役時代の矢野監督や金本前監督の応援歌を聴きながら、選手の躍動を目に焼き付けてきた過去がある。
10年以上が経過し、佐藤輝自身が虎戦士として甲子園の打席に立つ時が来た。この日はバックネット裏で両親が観戦。試合前日に「頑張れよ」と送られたエールに応えるかのようなタイムリーだ。
矢野監督は「“見たい”と思われるのはプロとしてすごく大事なこと。ファンの人にもっともっと楽しみにしてもらえる選手に」と目を細めた。
この日は両サイドを短く刈り上げたヘアスタイルで登場し、ファンの心を早くもつかんだ背番号8。「毎打席、ヒットを打てるように練習していきたい」-。開幕後も甲子園で打ちまくり、誰からも愛される選手へと成長する。