阪神ドラ1佐藤輝 G倒V弾!球団新人初のOP戦4号 矢野監督が開幕スタメン明言
「オープン戦、阪神1-0巨人」(14日、甲子園球場)
宿敵に怪物のパワーを見せつけた。阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が12球団単独トップのオープン戦4号ソロを放った。両軍無得点の四回、左翼ポール際へ運んだ打球は一度はファウルの判定も、リプレー検証の結果、本塁打に覆った。オープン戦4発はドラフト制以降、球団新人史上初の快挙。シーズン本番での伝統の一戦でも頼むで!
一時、球場はため息に包まれた。それでもリクエストで判定が覆った瞬間、甲子園のボルテージが一気に最高潮に達した。伝統の一戦。佐藤輝が宿敵相手に浴びせた決勝アーチは痛快だ。「プロ野球は、リクエストがあって助かりました」と喜びを隠しきれない。
四回2死。カウント1-1から左腕・高橋の143キロ直球を捉えた。滞空時間の長い一打は左翼ポール際に吸い込まれたが、三塁塁審はファウルの判定。「途中まで見ていて、入ったかなと思った」とダイヤモンドを一周しようとしていた佐藤輝も、ファンもあ然とするしかない。
仕切り直しか…と思われたが、矢野監督がすかさずリクエストを要求。約2分45秒のビデオ検証の末、ポールの内側を巻いていたことが証明された。「ファウルと言われた時の準備はしていました」と前置きしながら「フェアになって良かった」と本音を漏らした。
佐藤輝にとって、左腕から放ったプロ入り後初の本塁打でもある。「左投手はオープン戦で全然打ってなかったと思うので、今日2本(安打が)打ててそこは良かったかな」と安どの表情がにじむ。
オープン戦の本塁打で12球団単独トップに躍り出る4号ソロ。ドラフト制以降、球団新人がオープン戦で4本塁打を記録したのは史上初の快挙だ。想像をはるかに上回るような大躍進を続けている新星。「でも『やるぞ』という自信はあったので特別びっくりはしていないです」と言葉からも大物ぶりが漂う。
矢野監督は試合中継中のインタビューで、佐藤輝の開幕スタメンを明言した。「今の状態を維持してくれてるのであればもちろん(開幕スタメンで)いきます。将来も考えてもちろん使うつもり」
指揮官からの大きな期待を、佐藤輝は一身に受け止めた。「使ってもらうからには、しっかり結果を出すことを目標に毎日、一試合一試合やっていきたいと思います」。開幕戦へ、覚悟が定まった。
リーグ2連覇中の巨人へ、名刺代わりの一発となった。「セ・リーグで優勝するためには絶対に倒さないといけない相手。シーズンに入っても打てるように頑張ります」。“打倒巨人”への心構えは十分。本番でのG倒へ、戦闘態勢はすでに整っている。