トラ番の中野記者が大阪・天神橋筋商店街「なみき洋品店」直ゲキ

 阪神から今年の「ウル虎イエローユニホーム」のデザインが発表されたことを受け、デイリースポーツ・トラ番の中野雄太記者(30)が、大阪市北区の天神橋筋商店街に店舗を構える「なみき洋品店」を突撃取材した。同店自慢の大阪名物「虎Tシャツ」を連想させる新ユニホームの印象、また36年ぶりの日本一を目指す矢野阪神への熱烈な思いを聞いた。

 全長約2・6キロで、日本一長いと言われる天神橋筋商店街。コロナ禍ではあるが、さすが“浪速の台所”だ。ランチ時はスーツを着たサラリーマンや、エプロン姿のまま買い物に訪れた女性が頻繁に行き交う。すごいなぁと活気を感じながらアーケードを歩いていると、昭和36年創業のなみき洋品店を発見した。

 店頭には衣服をはじめとする生活用品が並び、よく見たらタイガースのロゴが描かれたTシャツも…。店の中に入ろうとすると、店員の古谷眞由美さん(59)が「いらっしゃいませ!」と出迎えてくれた。実はこの方、まさかの巨人ファン。今年のウル虎ユニホームのデザインを見た瞬間、キリリとした表情に変わって印象を語り始めた。

 「今までにないすごいインパクトやね。私はめっちゃ面白いと思うよ。目の位置がちょっと分かりづらいけど(笑)。これを着た選手たちが横に並んだら迫力がすごそうやね」

 虎のリアルな顔がドドッと大きくプリントされた新ユニホーム。店内にも同じようなデザインのTHE・大阪Tシャツが何枚もあった。幼い頃から熱狂的な阪神ファンの店長・並木浩一さん(58)は「阪神がこのユニホームで勝ってくれたら、店の服も売れるんちゃう(笑)」と満面の笑み。そして「一生忘れられない」という猛虎が日本一になった1985年を思い返した。

 「この商店街に見たことないほど人があふれて、みんな楽しそうやったね。『タイガース、タイガース』と言って喜んでた。うちも店の前に阪神グッズをたくさん並べたんよ。飛ぶように売れた。すごかったね。もう一度あの光景を見たいな」

 今年、最も注目しているのがドラフト1位の佐藤輝。虎ファン歴50年以上で目は肥えているが「間違いなく活躍すると思う」と語気を強めた。また、開幕投手を務める藤浪への期待も大きい。「彼の頑張りが本当に鍵になると思う。普通に投げたら、なかなか打たれへんのやから」と完全復活を願った。

 長々と取材をさせていただいていると、気づけば商店街を行き交う人がまばらに。古谷さんは寂しそうな表情を浮かべながら「お昼が過ぎるとだんだん少なくなってくるんよ。コロナでうちの売り上げも激減して」と悲痛な思いを口にした。

 経営状況は苦しいが、明るい未来を信じて毎日シャッターを開ける。取材後、記者は店から徒歩3分の大阪天満宮に足を運び、祈った。

 「タイガースが優勝しますように。そして、なみき洋品店が繁盛しますように…」

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