阪神・山本が語った阪神と巨人の違い 金銭トレードで宿敵から新加入
“旬”な選手を深掘りする新企画(不定期掲載)がスタート。第1回は3日の中日戦(京セラ)でサヨナラ打を放った山本泰寛内野手(27)が登場する。金銭トレードで巨人から新加入した背番号00が、伝統ある両球団の違い、6日から始まる古巣との対戦へ向けた意気込みなどを語った。
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新戦力の山本が、3日の中日戦で猛虎に劇的勝利をもたらした。両軍無得点で迎えた九回2死一、二塁。あと1アウトで引き分けに終わる場面で、中越えにサヨナラ二塁打を放った。「タイガースの一員になれた気がして、本当にうれしかった」と自身初のサヨナラ打に満面に笑みを浮かべていた。
「みんな(祝福の)LINEをくれましたし、連絡をくれる人が多かったですね。100人いかないくらいじゃないですか。『ありがとう』くらいのをみんなに返しました」
新天地で見せた活躍。これまでお世話になった多くの人がその姿を喜んだ。元同僚で同級生の巨人・中川からもメッセージが届いた。
「(ターニングポイントは)今回じゃないですか。ジャイアンツで昨年は一回も出られなくて、こうやって必要とされている球団にいってプレーできているということは、今すごく大事な時期かなと思います」
巨人の一員だったプロ5年目の昨季、1軍戦の出場はゼロ。チームはリーグ連覇と最高の1年だったが、山本にとっては苦悩の日々だった。昨年12月に突然、決まった金銭トレード。自身の野球人生において大きな影響を与える移籍だったと振り返る。
「(どこの球団でも)僕はやることは変わらないので。また野球をやれることをしっかりと受け止めながら、新しい球団でやれるのは本当に楽しみだなという印象でした」
伝統ある2球団でプレーすることになった山本。巨人に在籍した5年間でチームは2度の優勝。主力選手を中心としたチーム力の高さを感じていたという。
「坂本さんだったり、丸さんだったり、そういう中心選手が背中で引っ張るというか、やるべきことをしっかりやっているから、高いレベルにみんながついていこう、ついていこうとする気持ちが成長している要因かなと思いますね」
一方、選手会長・近本や主将・大山と若い世代が中心となっている阪神。個々の自立心に加え、首脳陣を含めての関西特有の一体感をより強く感じていると語った。
「若いチームなので、すごい活気がありますし、チーム一人一人がリーダーじゃないですけど、自覚を持ってやっている。誰かに任せるんじゃなくて、自分がやらなきゃいけないという自覚を持っているチームかなと思います。あとは首脳陣の方とかもすごく関西ノリというか明るい感じもあるので、それは何か一体感というか、そういうのはあっていいのかなと思います」
6日からは、甲子園で今季初となる宿敵・巨人との首位攻防3連戦。古巣との戦いを前に山本は静かに闘志を燃やしている。
「やっぱりジャイアンツを倒さないとリーグ優勝は見えてこないと思うので、まずは初戦が一番大事だと思う。そこでしっかりチームとして勝って、自分としてもいい役割というか、ジャイアンツに対して僕がいいプレーを見せて、成長した姿を見せられればなと思います」
タテジマのユニホームで戦うプロ6年目のシーズン。チームをけん引する頼もしい存在となる。