阪神ドラ6中野 ハツラツ初スタメン!走攻守で躍動 矢野監督2戦連続スタメン示唆
「DeNA0-4阪神」(10日、横浜スタジアム)
誰もが抜けたと思った。1点リードの七回2死一、三塁。戸柱が放った鋭いライナーが二遊間へ。これで試合は振り出しに…と思った次の瞬間。横浜ファンの大歓声と虎党のため息が一瞬で逆転した。白球は阪神ドラフト6位・中野(三菱自動車岡崎)のグラブに収まった。
完璧なポジショニング、そして膝を突きながら必死の好捕。「抜かれたな」と諦めかけた青柳も笑顔で新人をたたえた。この好プレーの裏にはプロ初スタメンとは思えぬ、冷静な判断力があった。
「ある程度言われていた部分もあったんですけど、スイングなどを見ながら、この辺に来そうだなという自分の勘を頼りにして、あそこに寄ってました」
守りに定評のある24歳はこの日、全ての守備機会で当然のように無失策。ここまでの守備力が備わったのは、元阪神のロッテ・鳥谷の存在が大きい。幼少期から阪神ファンだった中野。不動の遊撃手として活躍していた背番号1に憧れを抱き、目標としてきた。
一方で、開幕から存在感を示しているのは打撃だ。五回1死から上茶谷のカーブにうまく反応し、中前に運んだ。九回に2点を追加し、なおも1死二、三塁の場面では一、二塁間にゴロを放って野選を誘い、プロ初打点。直後にプロ初盗塁となる二盗を決めるなど、走攻守で貢献した。
「遊撃手としてスタメンで出ることで、すごい自信になりましたし、やれるんだなというのは自分の中で感じたので、これからのゲームも自分の任された仕事を全うしたい」
矢野監督は活躍を評価し「明日も使ってみようかな」と2戦連続のスタメン起用を示唆した。13打数6安打で打率は・462。同期の佐藤輝や伊藤将の活躍に刺激を受けつつ、負けてはいられない。巡ってきた少ないチャンスを生かす勝負強さで、遊撃のレギュラーを奪ってみせる。