【金本知憲氏の眼】阪神・佐藤輝よ三振気にするな「自分のやり方を続ければいい」
開幕からの対戦カードが一巡した中、デイリースポーツ評論家の金本知憲氏(53)と谷佳知氏(48)が阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=の現状について分析した。厳しい内角攻めにあう中、ここまで両リーグ最多の24三振を喫しているが、両者ともに三振を気にすることはないという考えで一致。甘いボールをいかにとらえて持ち味の長打力を発揮できるか。今後の飛躍に期待を寄せた。
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佐藤輝に関しては、開幕してから内角を攻められている今の状況が、昨年のサンズと似たものを感じている。
どういうことかと言うと、昨年、相手投手はサンズに対して内角を攻めてきていた。ただ、投げきれずに真ん中にきた失投などをサンズはうまく打っていたわけだが、シーズン途中から相手のボールが内角のいいコースに決まり出すと、それまでのように打てなくなった。そこが今の佐藤輝と重なるところだ。
11日のDeNA戦で佐藤輝が打った二塁打も、捕手が内角を要求したところで、やや外の甘めに来たところを打ったもの。これが、狙い通りに内角のいいコースに投げてこられた時にまだ対応できていない状況だが、これは佐藤輝に限ったことではない。どのバッターでも簡単なことではなく、今打てないからダメだとかそういうことではない。
佐藤輝が、内角球に対してどういう待ち方をしているのかは分からないので細かなことは言えないが、今は自分のやり方を続ければいいのではないか。その中で、試合をこなしながら対応してアジャストしていけばいい。
三振が増えていることも気にしなくていい。三振であろうが内野ゴロであろうが同じアウト。これがノーアウト満塁となれば三振は良くないが、三振でも、例えばセカンドゴロでも同じという意識で、ランナーがいる場面で三振をしても、逆にゲッツーにならなくて良かった、と思うぐらいで割り切る部分があっていいと思う。いずれにせよ、これからも楽しみな選手であることは間違いない。