【狩野恵輔氏の眼】攻守で快進撃を支える阪神・梅野
開幕からの快進撃の大きな要因は阪神・梅野だろう。まず守備面で言えば、梅野はここまで全18試合でスタメン。常に先発出場していることが好影響となっている。『点のリード』ではなく『線のリード』ができるためだ。
具体的には次の試合を見据えた“エサ撒き”ができている。状況に応じて本来と違う配球で相手打者と駆け引きし、次の試合へ生かしている。勝負どころも分かっており、ピンチでも展開に応じて『ここは1点を取られても大丈夫』といったリードも見せる。勝敗へのポイントを理解しているからできるものだ。
チームは6連勝中で、この間の失点は4。チーム防御率は1・99で先発陣に限れば1・55だ。いずれの先発投手も必ず5回以上を投げ自責は3点以内。梅野に対する投手陣からの信頼も感じられる。
一方、攻撃面は昨季から逆方向への打撃も目立つようになった。適時打だけでなく、右方向への進塁打も打てるなど状況に応じた役割も果たしている。
得点圏打率はリーグトップの・583。梅野の打順は7番で、6番を打つドラフト1位・佐藤輝(近大)は相手からの警戒が強い。それだけに後ろの梅野の勝負強さは大きい。
試合に出続け攻守で大きな役割を果たしている。さらに、投手陣だけでなくチーム全体の特徴を把握している点も梅野のすごさだ。