谷佳知氏 阪神快勝は戦力差から出た結果「今は巨人にとって我慢の時期」
「巨人5-10阪神」(20日、東京ドーム)
阪神が5本塁打を巨人に浴びせ、今季2度目の2桁得点となる10点を奪い快勝した。デイリースポーツ評論家の谷佳知氏は、現状の阪神と巨人の戦力差が出た戦いだったと分析した。
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本来ならば本拠地での空中戦は巨人が得意としてきたが、阪神の猛攻に対抗できないのは、やはり丸や外国人がいないのが大きい。
「丸がいない、中島や外国人もいない。これだと、坂本と岡本和が『自分がやらないといけない』という意識がどうしても強くなってしまう。その結果、気楽に自分の打撃ができなくなってしまっている。もちろん相手チームも、この2人をマークすればいいということになるので、より厳しい攻めになっている」
逆に阪神は大山、外国人のクリーンアップが本塁打を量産。他の選手も調子が良く、隙がない。
「特にマルテの打撃を見ていると、本当に状態がいいなと感じる。初回の本塁打は甘い球を初球から見逃さずに打てたし、三回の2本目は内角をうまく打った。七回の3打席目の四球は、状態がいいからしっかりボールを見極めた結果だ」
さらに阪神の連勝の要因の一つに挙げるのが、糸原の存在だ。
「2番・糸原の調子の良さが効いている。糸原が出塁することで、クリーンアップの前にチャンスを作っている。近本が本調子ではないが、糸原がしっかり埋めているから得点力が上がる。裏を返せば近本の状態が上がれば、阪神の打線はもっとすごくなる可能性があるということだが」
巨人としては勝負所は戦力が整ってからだと考えているが、この日の負けは痛い。
「今は巨人にとって我慢の時期。丸や外国人が加わるまで踏ん張れれば、と思っているはず。それでも今回の3連戦初戦を落としたのは痛い。6連勝で来ていたし、その勢いでと思っていたはずだから。3連敗は避けたいが、今の阪神の勢いや戦力を考えると、やられる可能性もある。そこをどうやって食い止めるか、第2戦、第3戦は見ものだ」