【谷佳知氏の眼】逆方向への意識が生んだ阪神の一発攻勢
「巨人5-10阪神」(20日、東京ドーム)
阪神は巨人のお株を奪う一発攻勢を見せた。しかもクリーンアップが打つというのは、現在のチーム状態の良さを象徴している。
5本塁打が出たが、三回の大山、六回のサンズは右方向への打球。これは甲子園だったら入っていない。おそらく東京ドームに場所が変わったということで、それぞれが逆方向を意識したのではないか。
逆方向を意識すると、右打者ならば体が止まり、左肩が開かず、いい打撃ができる。結果的に引っ張った打球もあったが、これだけ活発に本塁打が出たり、安打が出たのは、そういう逆方向への意識が生んだと思う。
とにかく、チームにとっては最高の勝ち方だった。近本もまだ本調子のようには見えないし、佐藤輝も厳しい攻めに苦しんでいるが、2番の糸原だったり、7番の梅野だったりと、近本、佐藤輝の後の2人が打つことで、打線につながりができている。この隙のない打線を止めるのは、相手にとって簡単ではないだろう。