阪神・北條 今季1号!鬼門打破へ希望の光 矢野監督スタメン起用示唆
「巨人8-3阪神」(22日、東京ドーム)
表情は険しく、足取りは重い。ただ、阪神・北條の手に残った感触は敵地・東京ドームの虎党を沸かせた。意地と執念を込めたこん身の一振りが、今季1号2ランとなった。
5点ビハインドの六回だ。2死一塁で迎えた2打席目。「積極的にいく中で、狙い球だけを考えて打った」と、左腕・高橋が投じた初球の143キロ直球をフルスイングした。打球はレフトスタンド中段へ一直線。昨年10月8日広島戦(マツダ)以来のアーチで3点差に詰め寄ると、左翼席からは歓声と拍手が鳴りやまなかった。
今カード初戦の20日には六回に代打で出場し、中前打で今季初安打をマーク。この試合も四回に代打で出場し、与えられたチャンスに応えた。
プロ9年目。キャンプから遊撃のレギュラー争いを繰り広げてきたが、つかみきることはできなかった。現在は、ドラフト6位・中野(三菱自動車岡崎)が9試合連続で先発出場中。だが、矢野監督は「代打で右ってなれば北條っていうのもあるし、この先スタメンっていうのもありえる」と起用を示唆した。
出場機会を増やすため、まずはバットで存在感を発揮。「これからが大事」と北條。ここから攻守にわたってさらに前進していく。