阪神ドラ1佐藤輝 逆転満弾!4番サードデビュー 満塁男や!ダメ押し適時打で5打点
「阪神7-3広島」(2日、甲子園球場)
衝撃の4番デビューや-。阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)=近大=がプロ入り初の「4番・三塁」で先発出場し、2点を追う五回に8号逆転満塁弾。六回にも左前適時打を放って今季24打点とし、本塁打&打点でチーム2冠に立った。3連勝で貯金は今季最多タイの「12」。デーゲームは11戦全勝。5月もトラが躍進する。
「4番、サード・佐藤」-。初めて担う大役のコールが無観客の甲子園に響く。出場30試合目で迎えた4番デビュー。打席では表情一つ変えない佐藤輝が、伝説の一撃を刻んだ。
2点を追う五回無死満塁。カウント2-2から野村が前2打席と同様にチェンジアップで仕留めにかかったが、これを一閃(いっせん)。泳がされながらもパワーで飛ばした。
飛距離126メートルの弾丸は右翼席中段への8号逆転満塁弾。4番デビュー戦で新人が満塁本塁打を放つのは球団史上初で、球界でも1950年の南村不可止(西日本)が達成して以来71年ぶりだ。「あのボールについていけた。しかもホームランになったので、最高の結果だったと思います」。この劇弾の裏側には“サンズ先生”の助言があった。
三回、野村に二ゴロに抑えられた際「落とす球に対して強引に行かず、逆方向に打つスタンスで行けば、前で拾える」と指摘された。教えを胸に次打席で落ちる球をすくい「ジェリー(サンズ)に感謝です」と笑った。
3点リードの六回1死満塁ではコルニエルの159キロ直球を左前適時打とし、初の1試合5打点。満塁機では7打数4安打の打率・571、1本塁打、9打点と驚異的な勝負強さ。8本塁打、24打点は堂々のチーム2冠。「1本で終わるより、2本打てた方がいいので大きかった」と納得顔を浮かべた。
公式戦初の三塁守備では、八回1死から坂倉の三塁線を襲ったゴロを逆シングルで好捕。「大学時代でもサードをやっていたので」と軽快な動きを見せた。
ドラフト制以降では、17年9月1日・中日戦(甲子園)の大山以来となる新人4番だったが「いつも通り自分のスイングを考えていました」と平常心を貫き、勝利を呼んだ。
休養日となった大山に代えて起用した矢野監督は「4番はちょっと体験入部のような。(初4番で)記憶に残る、びっくりするようなことが起こせるのは佐藤輝。何か持っているな」と大絶賛だ。
掛布雅之や長嶋茂雄なども担った「4番・三塁」は球界の華。「(4番は)チームの顔。信頼されている選手が4番。自分も信頼される選手になっていきたい」-。猛虎第107代4番を務めた佐藤輝が、スター選手への道を一歩ずつ進む。