【谷佳知氏の眼】四回の攻撃に阪神好調の秘訣
「巨人1-2阪神」(14日、東京ドーム)
1位、2位の戦いにふさわしい見応えのある試合だった。結果的には少ないチャンスを生かした阪神が勝ったが、四回は好調の秘訣(ひけつ)が打線のつながりであることを示したものだった。
マルテのソロで追いつき、佐藤輝、サンズがつないだ。梅野としては何とかしたいという気持ちになったはず。逆方向への意識を持ちながら必死に粘り、普通ならば外角を徹底される場面で巨人バッテリーが意表を突いて投げてきた内角にも対応し、詰まりながらはじき返した。畠の失投というより、打った梅野がうまかった。
巨人は三回に2四球などで1死満塁のチャンスをつくったが、岡本和の犠飛による1点に終わった。わずかな得点のチャンスでどれだけ得点を奪えることができたかというのが、終わってみれば勝敗の差となった。
一つ気になる点を挙げるとすれば、四回の佐藤輝の走塁。本来ならばサンズの中前打で二塁から本塁にかえってこないといけない。サンズが打った瞬間、状況判断を誤り二塁にバックしかけたが、あれはミス。中堅の丸も攻めた守りではなかったし、佐藤輝の足も遅くはないから行けたはず。1本のヒットで二塁から帰って来られるのが本当に強いチーム。佐藤輝には走塁の意識も高めてほしい。