阪神 鳥谷にやられた…雄たけび反撃打で虎気迫負け 交流戦波乱の悔幕
「阪神3-5ロッテ」(25日、甲子園球場)
「日本生命セ・パ交流戦」が2年ぶりに開幕し、阪神は逆転負けを喫して黒星スタートとなった。かつての同僚であるロッテ・鳥谷に適時打を許して流れを奪われると、1点リードの八回に岩崎優投手(29)が痛恨の逆転被弾。六回終了時にリードしていれば21連勝中だったが、一撃にかき消された。
この日一番の盛り上がりだけでなく、勝利までもかっさらわれてしまった。「こういう負けも年に何回かはあると思う」。そう矢野監督が振り返る痛恨の逆転負けだ。
2点リードの七回だ。1死一、二塁の場面でロッテ移籍後初、2年ぶりの甲子園帰還となった鳥谷が代打で登場。名前がコールされるだけで両軍ファンから拍手が起こり、右翼席の虎党が鳥谷のネームタオルを掲げた。
“千両役者”が右前適時打を放つと、さらに甲子園が沸きに沸く。その時点では、まだ1点リード。虎には鉄壁を誇る勝ちパターンの継投がある。ロッテの攻撃が終わり、鳥谷がベンチに引き揚げる際には、虎党もスタンディングオベーションを送る余裕があったのだが…。
八回の男・岩崎が、12球団トップの得点力を誇る打線につかまった。先頭の荻野に左前打を許すと、続くマーティンには右翼中段に飛び込む特大逆転2ランを浴びる。打球が高々と舞い上がった瞬間、球場内が静寂に包まれた。
岩崎は中村奨に3連打を浴びた時点で1死も取れずに交代。今季23試合目の登板で初被弾、失点を許してのイニング途中の降板も初めてとなった。最後は九回2死から代打・ロハスが空振り三振に倒れてゲームセット。六回終了時点でリードしていた試合は今季ここまで25勝1敗1分け。21連勝を誇っていたが、勝利の方程式はもろくも崩れ去った。
広島のコロナ禍などで4試合が流れた。あるいは試合が空いた影響もあったのか。「そんな完璧なヤツおれへんよ」と岩崎をかばった指揮官は「俺ら勝負している以上、やられることもある。でも今まで助けてもらってるんで。明日からも行ってもらう」とうなずいた。
初戦こそ落としたが、4番には大山が復帰。糸原こそ欠くものの、近本も復調をたどり、快進撃を続けた開幕当初に近い打線に戻った。貯金16、勝率・700の首位で交流戦に突入した矢野阪神。ここからパ・リーグ相手にも、その強さを見せつけていく。