阪神・梅野 V1号4安打!サイクルあと一歩 12球団トップ得点圏打率・471
「西武8-9阪神」(30日、メットライフドーム)
阪神・梅野隆太郎捕手は久々の感触をかみしめ、ダイヤモンドを回った。開幕から48試合目。プロ8年目で最も遅い今季1号が決勝2ランだ。「めちゃくちゃ気持ち良かった」。打撃不振から派手に復活。及川にプロ初勝利をプレゼントし、心の底から笑った。
序盤から激しい点の取り合いが続き、同点で迎えた五回。2死から糸井が四球で出塁し、梅野は極限まで集中力を高めた。下手投げの与座が投じたスライダーを捉え、打球は左翼ポール際へ。ベンチに戻ると、胸の前で両手の親指を立てる新パフォーマンス「U2ポーズ」を初披露した。
開幕から勝負強いバットでチームをけん引してきたが、打点を刻んだのは5月14日の巨人戦以来、10試合ぶり。16日の同戦から21打席連続無安打と苦しみ、今カードの1戦目はスタメンから外れた。
「気持ち的にきつい部分があった」。そんな中で、支えになったのは周囲からのサポート。矢野監督をはじめ、コーチ陣が熱心にアドバイスを送ってくれたからこそ「今があると思います」とどん底から這(は)い上がることができた。指揮官は「ヨシオとリュウの攻撃はやっぱり大きいね」と糸井&梅野の大活躍に感謝しきりだ。
四回は同点劇へ好機を拡大する右前打を放ち、七回には左中間を深々と破る適時三塁打。二塁打が出れば自身2度目となるサイクル安打達成の気配が漂う中、九回は左前に運んだ。今季初の4安打、同最多タイの3打点。最後は1点差まで詰め寄られたが、正捕手として7人の投手陣を懸命にリードした。
「自分より若い子もハツラツと一生懸命プレーしてくれているので。負けないように、そしてチームを引っ張っていけるように」。12球団トップの得点圏打率・471を誇る梅野の復活が、矢野阪神を再加速させる。