阪神唯一の高卒新人・高寺「負けたくない」 攻守に格段進化、来季「最低でも1軍」
阪神唯一の高卒新人がプロ野球選手の顔になってきた。ウエスタン・リーグが開幕してもうすぐ3カ月。ドラフト7位・高寺望夢内野手(18)=上田西=は「満足のいく結果を出せていない」と、プロの壁にぶつかりながらも、成長を遂げている。
35試合に出場し、打率は・202。「ヒットを一本打つ難しさというのを感じています」と高校生とは違う球の強さ、変化球のキレを感じているようだ。目標は1年目から打率3割。そのためにもボール球の見極めが必要だと理解している。
「見逃せる場面は多くあると思う。これからも低めの見極めだったり、ボール球を振らないっていうのは、打率を上げるためにも大切なことだと思う」
打撃はもちろん、試合前練習では特守に励むことが多い。指導するのは田中2軍内野守備走塁コーチ。「望夢!ナイスプレー!」と鼓舞され、入団当初と比較すると、格段に進化した。「教えていただいたことが徐々にできている」と、本人も手応えを感じている。
1軍の選手のレベルを、肌で感じたことも18歳にとっては大きな財産だ。「1軍のメンバーはまず守備がうまい」と、北條や小幡の守備力には驚かされたという。中でも同じ高卒で右投げ左打ちの内野手・小幡は刺激を受ける存在だ。
「負けたくない気持ちが一番あります」と常に意識し、技術を見て盗んできた。キャンプ時にはあまり口にしなかった「負けたくない」という言葉からは高寺の精神的な成長を感じる。同期入団の同1位・佐藤輝(近大)や同6位・中野(三菱自動車岡崎)の活躍にも闘志を燃やす。
「今は勝てない。でも、数年後に今活躍している同期の先輩に負けないぐらいの活躍をしたい」
1年目の今季はまず土台を作る。そして、来季へ。「最低でも絶対に1軍へいくという気持ちになっています」。底の見えない潜在能力と高い吸収力を持ち合わせている。高寺の可能性は無限大だ。